単機能家電という選択肢 〜無駄を省いたシンプルな機能の家電が注目される理由とは〜

多機能化が進む日本の電化製品。近年、その流れとは一線を画すようなムーブメントも起きています。それは、機能をシンプルにすること。かねがね、家電の機能は最低限のものでいいと考えていた人にとっては、選択肢の幅が広がるはず。今回は、機能を厳選した「単機能家電」を紹介します。

シンプル“単機能”の家電が注目される理由とは

なぜ、いま単機能家電が話題になっているのでしょうか。その理由を2つの視点から見ていきましょう。

「基本的な機能以外はほとんど使わない」という人が多い

あるアンケート調査によると、4人に3人が最近の家電は余計な機能がつきすぎていると回答したそうです。結局のところ、基本的な機能以外はほぼ使っていない人が多いという結果です。逆に、機能が多すぎて逆に使いにくいと感じている人もいます。これは、家電業界に精通するジャーナリストなどからも指摘されています。

値段も手頃でそこそこ使えるものが世界標準となっていくなか、それとは逆行するように、日本の家電はいまや主要機能が使いづらいほどまでに多機能化。では、なぜ、日本の家電は多機能になったのでしょうか。

かつて、日本の家電は世界で圧倒的なシェアを誇っており、高品質・高性能なのに、価格はお手頃という日本製ならではの魅力がありました。しかし、時代が進むにつれ、海外メーカーとの競争も激しくなり、日本の家電が生き残る道は、付加価値をつけること(実質的には機能を多くつけること)が重視されるようになったことが要因のようです。しかし、そうした開発・販売戦略が、すべての人にとってメリットばかりではありません。そんななかで登場したのが、機能をシンプルにした単機能家電であり、シンプルに使いたい人からの注目を集めました。

コストパフォーマンスの高さ

物価高騰がつづいている昨今、とくに、モノの価格上昇は切実な問題になっています。単機能家電の大きなメリットは、なんといってもコスパが良いこと。本当に必要なものだけに絞り込むことで、高い品質を保ちながら、低価格帯で提供されています。

ちなみに、品質の高さと機能の多さは比例しません。むしろ、トレードオフの関係にあり、機能を多くすることで、かえって品質(使用性)が低下することもあります。品質とは、製品(サービスなども)が持つ特性・性能が、顧客の期待や要求にどれほど応えているかを示す概念のこと。品質の基準は「使っている人が満足できるかどうか」ですから、多機能だから品質が良いとはいえないのです。

家電こぼれ話① 「白物家電」のこと

「白物家電」という言葉をご存じですか? よく耳にするけれど、具体的に、どんな家電を指すのかご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。

白物家電は、冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・電子レンジ・エアコンなど生活に欠かせない家電のこと。これらが普及した当時は、白い製品が多かったことから「白物家電」と呼ばれるようになりました。それに対し、「黒物家電」と呼ばれるものもあります。趣味や娯楽の要素が強いもので、代表的なのはテレビやラジオ、オーディオデッキ、カメラ、ゲーム機など。こちらは、普及した当時、黒っぽい製品が多かったため、そう名づけられました。

単機能家電を活用しよう!暮らしに寄り添うシンプル家電の種類

シンプルな機能の家電は、「ジェネリック家電」と「一芸家電」の大きく2つのタイプに分かれます。タイプごとの特徴を知って、便利に活用してみましょう。

ジェネリック家電

ジェネリック家電とは、大手メーカーの製品と同等の性能を持ちながら、価格を抑えた優良な日本品質の家電のことを指します。無駄を省いた製品設計が特徴で、最低限の機能で十分と考えている人にとっては、理想の形かもしれません。

具体的には以下のような商品が挙げられます。

  • 炊飯と保温機能だけの炊飯器
  • 乾燥機能のない洗うことだけに特化した洗濯機
  • 温めと解凍機能だけの電子レンジ など

一芸家電

一芸家電とは、1つの機能に特化し、その機能をとことん極めた家電のこと。ジェネリック家電のように明確な定義はありませんが、通称として定着しています。ニッチな製品が多く、嗜好品のような面もありますが、だからこそ店頭で見つけると楽しい気分になるかもしれません。

具体的には、以下のような商品があります。

  • 袋麺を最高においしくつくることだけに特化した電気鍋
  • レトルトパウチを温めるだけの調理器具
  • ゆで卵をつくるだけの調理器具
  • お店レベルのクレープ生地をつくることだけに特化した調理器具 など

一般的に、単機能家電としてよく使われるのは、ジェネリック家電でしょう。一方で、暮らしに彩りをもたらしてくれる一芸家電も魅力的。とはいえ、こうした単機能家電もたくさんありすぎると、収納スペースが必要ですし、出し入れや管理にも手間がかかります。単機能家電ばかり集めると、かえって、多機能型の家電よりコストもかかることでしょう。

家電をどれくらい活用したいのか、どこまでの機能を求めているかは人それぞれ。あくまで使う人のライフスタイルによって選ぶものですから、家電選びの際には、自身が使いたい機能があるかどうかをふまえて、考えてみてくださいね。

家電こぼれ話② 「家電リサイクル法」のこと

2001年4月から本格施行された家電リサイクル法(正式名称「特定家庭用機器再商品化法」)。一般家庭や事業所などから排出される特定家庭用機器廃棄物の有用な部品や材料などをリサイクルすることで廃棄物を減らし、かつ資源の有効利用を推進することを目的に制定されました。この法律ができる以前は、一般家庭から排出される廃家電は、鉄など一部の金属部品を除き、ほどんどがそのまま埋められていました。そのため、埋立処分場(最終処分場)の残余容量はひっ迫。と同時に、廃家電に含まれる鉄以外の有用な素材(アルミやガラスなど)や部品をリサイクルすることも喫緊の課題となっていました。そんな事情を背景に、循環型社会の実現を目指して成立したのが家電リサイクル法です。

対象となる特定家庭用機器とは、いわゆる「家電4品目」のことで、次の4点を指します。

<家電4品目> ※いずれも家庭用機器のみ

  • エアコン
  • テレビ(ブラウン管・液晶・有機EL・プラズマ)
  • 冷蔵庫、冷凍庫
  • 洗濯機、衣類乾燥機

上記4品目が選ばれた理由は、「大型で処理が困難なこと」「有用な資源が比較的多く含まれていること、及びそれらを回収するのにあまり手間やコストがかからないこと」「フロンなど有害な物質が使われていること」などがあげられます。

ちなみに、家庭用として製造・販売された上記4品目を、事業所で使用して廃棄する場合も対象となります。他方、業務用として製造・販売されたものを一般家庭で使用した場合は対象外です。

求める機能を選んで、シンプルに心地よく暮らす

多機能であることが当たり前になっている日本の家電。近年、その流れに一石を投じるような、シンプルな機能の家電がひとつのトレンドになっています。魅力は、なんといってもその使いやすさ。単純化した分、価格が抑えられているのも生活者にとってはうれしいポイントです。かねがね、家電の機能は最低限のもので十分と考えていた人にとっては、まさに理想のスタイルかもしれません。家電も生活もシンプルに、心地よく暮らすための選択肢として、気になる単機能家電をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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ウッディラボのルーツは、1947年創業の家具屋。木に携わり、木のおかげでこれまで事業を続けてきました。もっと木の良さを活かし、お客様の役に立ちたい。そんな思...

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