トコジラミ対策はお早めに。旅行先での対策や持ち帰らないための対策をご紹介

近年、国内をはじめ、世界中でトコジラミによる被害が増えています。もし発見したら、早めの対策が必要です。家庭でトコジラミが発生する原因として多いのが、旅行先や出張先からの持ち込み。気づかないうちに、出先でスーツケースや衣類にトコジラミがついてしまい、そのまま家に持ち帰ってしまうというケースです。今回は、トコジラミの被害にあわないためにはどうすればよいのか、具体的な対策をご紹介いたします。

トコジラミ対策の前に。そもそもトコジラミってどんな虫?

トコジラミとは、別名「ナンキンムシ(南京虫)」とも呼ばれる吸血昆虫です。成虫は体長5~8mm程度、褐色で、扁平で薄く丸い形をしています。トコジラミという名前ですが、シラミではなくカメムシ目に属する昆虫です。

トコジラミの栄養源は人や動物の血液のみ。しかし飢餓に強いため、吸血できない状態でも長期間生きることができます。また、繁殖力が強いのも特徴です。メスはほぼ毎日5~6個の卵を産み、生涯の産卵数は200~500個ともいわれています。

トコジラミを持ち込むと、比較的短期間で増殖して、あっという間に家の中に広がってしまいます。痕跡を見つけたら、できるだけ早めに対処しましょう。

トコジラミが好む場所

トコジラミは、夜になると活発に行動し始めます。昼間は、次のような暗く狭い場所に隠れていることが多いです。

・寝具周り(ベッドの隙間や裏、布団やまくらの中など)

・カーテンレールの隙間
・カーペットの下
・家具や電化製品の裏
・畳の縁
・柱や天井、壁の隙間  など

トコジラミによる健康被害

トコジラミに刺されることによる主な症状は「かゆみ」ですが、その程度には個人差があります。ほとんど症状が出ない人もいれば、激しいかゆみで寝不足になってしまう人もいます。症状が強く出る場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

トコジラミは、夜間に人が眠っている間に吸血します。ノミやダニのように服の中まで潜り込んでくることはほとんどなく、手や足、首など、肌が露出している部分を刺すのが特徴です。また、複数の刺し口が直線状に並んでいることが多いという報告もあります。

ただ、刺し口だけで何の虫かを特定するのは、専門医でも難しいようです。トコジラミが潜んでいる場所には、血糞という黒いシミが見られることが多いので、トコジラミが疑われる場合は、家の中にこのようなシミがないか探してみましょう。

なぜトコジラミ対策が必要なほど、被害が増えているの?

近年、日本でもトコジラミによる被害が増えています。東京都保険福祉局の資料によると、東京都におけるトコジラミの相談件数は、平成20年以前は100件以下でしたが、令和2年には320件となっています。

トコジラミの被害が拡大しているのは、10年ほど前から殺虫成分に耐性を持つ「スーパートコジラミ」が現れるようになったこと、そして、新型コロナウイルス関連の規制が緩和され、人の往来が活発になったことの2つが原因ではないかといわれています海外旅行をする人が増え、旅行先でスーツケースや衣類にくっついたトコジラミを、気づかないうちに家庭に持ち込んでしまうというケースが増えているようです。

この先旅行のご予定がある人は、トコジラミ対策を忘れずに行いましょう。具体的な対策は、のちほど詳しくご紹介いたします。

トコジラミ対策における殺虫剤や防虫剤の効果は?

一般家庭で用いられている殺虫剤の多くはピレスロイド系ですが、これは先ほどお伝えした「スーパートコジラミ」に対しては、ほとんど効果が期待できません。有機リン系やカーバメート系の殺虫剤なら、ゴキブリと同じくらいの効果が期待できるといわれていますが、一部ではこれらに耐性を持つトコジラミも見つかっているようです。

また、市販の殺虫剤では、隙間に潜むトコジラミまで駆除するのは難しいので、自宅でトコジラミの痕跡を見つけたら、専門の業者に駆除を依頼することをおすすめします

殺虫剤や防虫剤の大量使用に注意!

トコジラミ予防対策として、旅行先のホテルで多量の殺虫剤や防虫剤を使うケースもあるようです。しかし、殺虫剤や防虫剤を使いすぎると、身体にも悪い影響が出ることがあります。使用するときは、製品に記載されている使用方法と使用量を必ず守り、使いすぎないように注意しましょう。

衣類の防虫剤を使用したら体調が悪くなった|独立行政法人国民生活センター

殺虫剤以外の対策

殺虫剤以外では、虫よけ成分「ディート」がトコジラミを寄せつけない効果があることが確認されています。ただし、ディートは屋外での使用に限定され、生後6カ月未満の乳児には使用不可、6ヵ月以上2歳未満で1日1回など、使用の回数を控えるように注意されています。

虫よけ剤(ディート)|医薬品管理センター

そのほか、最近では、トコジラミが嫌う香りがあるという説や、エッセンシャルオイル、シリカゲルの粉末なども効果があるのではないかという説も出てきています。ただ、これらはまだ効果が証明されているものではありません。今後研究が進み、誰でも簡単に、かつ安全にトコジラミを駆除できる方法が見つかるとよいですね。

旅行先でのトコジラミ対策

ここからは、トコジラミの被害を防ぐための、具体的な対策を紹介します。まずは、旅行先でのトコジラミ対策です。宿泊先のホテルでは、次のような対策を行いましょう。

荷物はまずバスルームへ

トコジラミは、つるつるした面を登るのは得意ではありません。ホテルの部屋に着いたら、まず荷物はすべてバスルームに置き、部屋にトコジラミがいないか確認しましょう

トコジラミがいないことを確認できたら、荷物を部屋に移しますが、床に直接置くのではなく、トコジラミが登りにくそうなラックや台の上に置くようにしてください。

部屋にトコジラミがいないか確認する

トコジラミの成虫は目に見えるサイズであり、目視で確認できます。また、血糞と呼ばれる黒いシミがあれば、トコジラミがいる可能性が高いです。

宿泊するのが洋室であれば、ベッド周りを特に入念にチェックしてください。ベッドシーツをめくって、マットレスの側面や裏側もしっかり確認しましょう。和室であれば、敷居と畳の隙間や、押し入れの中、ふすま周辺などに潜んでいることが多いので、このような場所を入念にチェックしてください。

トコジラミの痕跡が見つかったら、ホテルに頼んで、できるだけ離れた部屋に変えてもらいましょう。部屋の変更が難しい場合には、虫よけなどを使用し、被害を予防する対策が必要です。

できるだけ電気をつけたまま寝る

トコジラミの痕跡が見つからなかったとしても、トコジラミが潜んでいる可能性がゼロとは言い切れません。トコジラミは光を嫌うため、夜眠るときに、部屋の電気をつけっぱなしにしておくと、刺されるリスクを減らせるとされています。

帰宅後のトコジラミ対策

トコジラミは熱に弱く、50℃なら30分、60℃なら10分、100℃近くなら数秒程度で死亡するといわれています。旅行から帰ったら、念のために持参していたすべての衣類をすぐに洗濯して、衣類乾燥機をかけ、熱による駆除をおこないましょう

万が一、帰宅後に自宅の中でトコジラミを見つけてしまったら、早めに専門の業者に相談することをおすすめします。

トコジラミ以外の虫よけ対策も忘れずに

旅行先から持ち帰る恐れがあるのは、トコジラミだけではありません。ダニやノミなど、さまざまな虫が知らないうちについている可能性があるので、旅行先には、それらを近寄らせないための虫よけアイテムを持っていくことをおすすめします。また、スーツケースを保管する際にも、虫よけ対策を行っておきましょう。

ウッディラボの「ダニよけシリカ」は、天然の香りの力を利用したダニよけアイテム。置くだけで、防ダニだけでなく、防カビと防虫、消臭、除湿までできる優れものです。サイズは縦横6cm×6cnと非常にコンパクトなので、旅行カバンの中に入れておいても邪魔になりません。布団やまくら、クローゼット、ソファなど、さまざまな場所にお使いいただけます。

旅行に行くならトコジラミ対策を忘れずに!

旅行を楽しむ人が増え、国をまたぐ人の移動が活発になったことで、世界中でトコジラミの被害が拡大しています。トコジラミは繁殖力が非常に強いため、一度家の中に持ち込んでしまうと、自力ですべて駆除するのが難しくなります。旅行のご予定がある人は、旅行先でもしっかりトコジラミ対策を行ってくださいね。

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