部屋にコバエがいる理由。大量発生を防ぐための効果的な対策をご紹介

毎日掃除をして、食事の後は必ず片づけをして、網戸も閉めているはずなのに、不思議なことになぜかやってくるコバエたち……。蒸し暑い季節になるとどこからともなくやってきますね。生ごみを捨てたゴミ箱から出てきて、食事時にお皿の上を飛んでいたりすると、とても嫌な気持ちになるもの。お部屋にコバエがいる理由を探り、対策を考えていきましょう。大量発生時の対処法についても詳しく紹介します。

部屋にやってくるコバエの種類

一般的に、小さな羽虫はまとめて「コバエ」と呼ばれることが多いのですが、そんな名前のハエがいるわけではありません。コバエと呼ばれる室内でよく見かけるハエは、分類すると次の4つがあります。

ショウジョウバエ

赤い目を持つ体長2〜3㎜くらいのショウジョウバエは、キッチンでよく見かける種類です。バナナの周りをとんでいるコバエ、というと分かりやすいかもしれません。ショウジョウバエのエサは、熟した果物や樹液およびそこに生育する天然の酵母。そのため、熟した果物や腐りかけの野菜のほか、ワインや酒、酢、醤油、味噌などの発酵食品も集まります。

ショウジョウバエは、卵からおよそ1日で幼虫になり、4~5日でさなぎに、その後約4日で成虫になります。成虫になると1日に30~50個程度の卵を産卵するようです。成虫の寿命は30~60日、死ぬまでに数千個の卵を産みます。

ノミバエ

体長2~4㎜くらいで、黒色をして、ぴょんぴょんと飛び跳ねるように素早く動くのがノミバエです。腐った食品や植物、排水溝の汚れから発生。汚物やヘドロが堆積する不潔な場所で繁殖するため、食べ物に接触すると汚染のリスクがあります。メスの成虫は一度に100個以上の卵を産み、卵は約2週間で成虫になります。

チョウバエ

日本に生息するチョウバエは、およそ70種類。その中で、家や飲食店などで繁殖するのは「オオチョウバエ」と「ホシチョウバエ」の2種類です。オオチョウバエは体長が3~5㎜程度で灰黒色、ホシチョウバエは体長が1.3~2㎜程度で灰色をしています。いずれも楕円形の大きな羽根が特徴です。

チョウバエの成虫や幼虫は、有機物を多く含んだヘドロや排水口のぬめりなどをエサにしています。そのため、生ごみ、石けんカス、人のアカなどがあると、そこに卵を産み繁殖。排水管の中でも繁殖します。

チョウバエは卵から2~3日で幼虫となり1~2週間でさなぎに、2~3日で成虫になります。成虫になると1匹あたり200~300個の卵を2~3回に分けて産卵。1~2週間ほど活動して寿命を迎えます。

クロバネキノコバエ

黒色で1〜2㎜程度の非常に小さなクロバネキノコバエは、照明など明るい場所に誘引される習性があります。腐葉土などを含んだ湿り気のある土を好み、好きな食べ物は植物やキノコなど。観葉植物の土などでも繁殖します。また、カブトムシやクワガタなどを飼育するケースの中に入り込み、繁殖することもあります。キノコバエは土の表面から2~3㎝の深さに卵を産み、4~7日で幼虫に。幼虫は木の腐った部分や腐葉土を食べて成長し、8~20日ほどでさなぎに、3~5日程度で成虫になります。成虫になってからの寿命は4~10日前後です。1匹あたり60~80個の卵を産卵します。

コバエが部屋に入ってくる侵入経路

家の中でコバエを見かけると、「いつも窓や網戸を閉めているのになぜ?」と不思議に思いませんか。コバエは一体どこから入ってくるのでしょうか。

網戸や窓のすき間から

網戸を閉めていれば安心だと思いがちですが、実は網戸のメッシュからすり抜けてくる種類もいます。一般的な網戸は18メッシュ(1.15㎜)ですが、クロバネキノコバエは1~2㎜なので、すり抜けてしまうのです。網戸には20メッシュ(1.03㎜)、24メッシュ(0.84㎜)などの規格があるため、コバエの侵入が気になる場合には、細かいメッシュに変えると良いでしょう。

また、サッシの重なる部分にすき間があると、そこから侵入してくることも。網戸と窓のサッシのすき間には、一般的に空間ができないようにモヘアやゴムがついています。モヘアやゴムが劣化しすき間ができている、ピッタリ閉めたつもりが重ならないといった場合には虫の侵入経路に。窓を半開きにするとき、サッシ同士が重ならずに虫が通り抜けることができる場合もあります。

開け閉めのタイミングによる

玄関やベランダ、お庭に出るタイミングで虫が入ることもありますよね。洗濯物を干すとき・しまうとき、植物への水やり、お届け物対応などなど、屋外に出入りする機会は多いものです。また、換気のために窓や玄関をしばらく開けておくといった家庭も多いのではないでしょうか。偶然のタイミングで、虫が入り込んでしまうのを避けるのは難しそうです。

エアコンホース、配管穴から

エアコンホースや配管穴も虫の出入り口に。ゴキブリの侵入経路としてご存知の方も多いかもしれません。一般的に25㎜程度のサイズで、コバエも通り抜けられます。またエアコン配管穴のパテが劣化してすき間ができていると、そこもコバエが通り抜ける道になっているかもしれません。

観葉植物の土から

外からお部屋の中に移動した観葉植物や、新しくお部屋に迎え入れたプランターには、コバエが繁殖しているかも……。腐葉土を使った土を使っている時は要注意です。キノコバエは腐葉土など有機物を含んだ湿り気のある土に卵を産み付け、植物やキノコを好んで食べます。そのため観葉植物の土は繁殖しやすい場所となっているのです。

部屋の中でコバエが増えやすい場所と対策方法

お部屋に入ってきたコバエはどこで増えるのでしょう。増えやすい場所別に解説します。

キッチン

生ごみ、残飯、飲料や調味料の空き容器は、ショウジョウバエとノミバエの大好物です。特に腐ったものを好むため、生ごみや残飯は袋に入れてしっかり密封、さらにゴミ箱にはしっかりフタをしましょう。キッチンの三角コーナーや排水口にも注意が必要です。コバエは産卵数が非常に多く、成長のスピードもかなり速いので、増え始めるとあっという間に大量発生します。

また、ショウジョウバエはアルコール飲料やジュース、調味料の空き缶や空き瓶、ペットボトルに残った液体に寄ってきます。ボトル類は洗って乾かすこと、捨てるまで密封しておくことがポイントです。

さらに気を付けたいのが、ぬか床などの発酵食品、バナナのように熟した果物。これらの香りはコバエを呼び寄せてしまうので、保管場所には気をつけましょう。キッチンはコバエたちの好物の香りが多いため、脱臭剤や忌避効果のある香りで虫除けするのがおすすめです。

お風呂やトイレ、洗面所

足を踏み入れるのにちょっと勇気がいるような、さびれた公園のトイレで見かけるコバエがチョウバエです。そんなチョウバエは有機物を多く含んだヘドロや排水口のぬめりなどをエサにしています。家の中で見かけたときは、排水溝に潜んでいるかも可能性が。他にも、お風呂場の浴槽カバー・エプロンの中、トイレのタンクの中、洗面所のオーバーフロー、洗濯機の防水パンの排水溝に潜んでいることもあります。

チョウバエは家の中のどこが発生源なのか分からずに困っているかもしれません。そんなときは排水溝やエプロンの中、トイレタンクの中など、目につきにくいところを一気に確認し、掃除していきましょう。幼虫は熱湯に弱いため、見つけたら熱湯をかけて流します。成虫は殺虫剤を使用してしっかり退治し、長期間悩まされないように対策をとるとよいですね。

観葉植物や虫の飼育ケース

キノコバエは湿り気のある、腐葉土を含む土が大好きです。そのため、観葉植物の鉢やプランターに寄り付きやすく、卵を産み付け繁殖します。カブトムシやクワガタ、鈴虫などの飼育で使う土からも増えやすいです。

観葉植物のコバエ対策として、一番効果的なのは土を使わないこと。使う場合は、室内用の土に替えることです。コバエが卵を産み付けやすい上から3~4㎝程度の土を室内向けと入れ替えたり、ハイドロカルチャーなどに替えたりするといった方法があります。虫の飼育ケースについては、腐葉土を使わないのが難しいため、設置場所に注意して。キッチン周りに置かないなど、工夫が必要です。すでにコバエが発生していたら、土を替えることと合わせて、ハエ取り粘着シートを設置し、数を減らしていきましょう。

部屋にコバエがいる理由を知り、効果的な対策を

なんとなく、不潔なイメージがあるコバエたち。実はコバエは、4種類の小さなハエの種類で、それぞれ好物や繁殖場所が異なります。例えば、土で繁殖するキノコバエが原因なのに、一生懸命ゴミ箱や排水溝の掃除をしても解決しないというわけです。お部屋の中で見かけるコバエの種類を見分けることで、効果的に対策をとることができます。便利なアイテムを取り入れながら、コバエに悩まされない環境で過ごしたいですね。

ウッディラボの「虫キライスプレー」は虫の侵入を防ぎたい、虫よけをしたい場所や雑貨にシュッと吹きかけるだけの簡単虫除けスプレー。香りの効果でコバエ、アリ、クモ、カメムシ、ダニなどの虫除けができます。エッセンシャルオイルが主成分だから、さわやかな香りでリフレッシュにも。

woody-lab.uo

2,144,309 views

ウッディラボのルーツは、1947年創業の家具屋。木に携わり、木のおかげでこれまで事業を続けてきました。もっと木の良さを活かし、お客様の役に立ちたい。そんな思...

プロフィール

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。