国内でも要注意!ホテルでやっておくべき「トコジラミ対策」

近年、日本でのトコジラミ(別名「南京虫」)による被害が増加しています。特に被害の相談が増えているのが、ホテルや旅館などの宿泊施設です。旅行をする際は、宿泊施設からうっかりトコジラミを持ち帰らないように気をつけましょう。今回は、日本国内のホテルや旅館でもやっておきたいトコジラミ対策をご紹介いたします。
宿泊するホテルでのトコジラミ対策を忘れないで!
訪日外国人旅行者の増加とともに、ホテルや旅館でトコジラミが大発生するケースが増えています。
トコジラミは、非常に繁殖力が強い害虫です。宿泊先から自宅に持ち帰ってしまうと、自宅で大発生する恐れがあります。大発生したトコジラミを、自力で駆除するのは困難です。また、トコジラミは健康や日常生活に影響を及ぼすこともあります。
自宅でトコジラミを発生させないためには、外から持ち込まないことが大切。旅行や出張の際は、宿泊先のホテルや旅館でしっかりトコジラミ対策をしておきましょう。
なお、トコジラミの特徴や、トコジラミがもたらす被害については、以下の記事をご覧ください。
ホテルや旅館でのトコジラミ対策

ここからは、旅先のホテルや旅館などでやっておきたいトコジラミ対策を紹介します。
荷物をバスルームに置き、部屋にトコジラミがいないか確認する
部屋についたら、まずは荷物の避難を。宿泊する部屋にトコジラミがいる場合、床やソファなどにバッグなどを置くと、潜んでいるトコジラミが荷物にもぐり込んでしまう可能性があります。これを防ぐために、部屋に着いたら一旦、荷物はバスルームに置いてください。トコジラミは、ツルツルしたところを歩くのが苦手だといわれているため、バスルームにいる可能性は低いと考えられます。
そして、部屋にトコジラミがいないかチェックします。トコジラミがいるところには、「血糞(けっぷん)」と呼ばれる黒いシミがよく見られます。トコジラミそのものだけでなく、黒いシミ(血糞)がないかどうかもよく確認しましょう。
以下に、トコジラミが特に好む場所をまとめます。このような場所は、特にしっかり確認してください。
<ホテルや旅館に着いたらチェックすべき場所>
洋室 | 和室 |
●ベッド周り(布団の縫い目や折り目、ボトム裏、ベッドボードの裏は特に注意) ●カーテンの折り目 ●家具と壁の間 ●コンセント周り ●インテリアの額縁 ●角隅 など | ●畳の縁や隙間 ●床や壁、天井の隅 ●壁の隙間 ●障子枠の接合部分 ●障子と敷居の間 ●ふすまと鴨居の間 ●柱の隙間 など |
参照:旅館・ホテルのための害虫対策の手引書 – 厚生労働省(PDF)
トコジラミを見つけたらやるべきこと
部屋の中で、トコジラミや血糞らしきシミを見つけたら、すぐにフロントに連絡し、部屋の移動を希望しましょう。

このとき、すぐに荷物を持って部屋を出たくなるかもしれませんが、厚生労働省が公表している「旅館・ホテルのための害虫対策の手引書」では、トコジラミを発見したときは“部屋から何も持ち出さない”こととされています。部屋から出ると、トコジラミも一緒に持ち出してしまう可能性もゼロではありませんので、まずは部屋からフロントに電話しましょう。ただし、宿泊施設によっては、部屋の移動ができないこともあります。そうした場合の対処法は宿泊施設によって異なるため、きちんと相談することが大切です。
ホテルの部屋で殺虫剤や防虫剤を使ってもいいの?
ここまで読んで、「宿泊する部屋で殺虫剤や防虫剤を使えばいいのでは?」と思った人もいるでしょう。トコジラミの予防目的で殺虫剤や防虫剤を使うケースもあるようですが、大量に使うと健康に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
「パラジクロロベンゼン」という成分がトコジラミにも有効だといわれていますが、国民生活センターのホームページでは、これが原因で体調が悪くなった事例と、室内濃度指針値が決められている成分であることなどが紹介されています。
衣類の防虫剤を使用したら体調が悪くなった|独立行政法人国民生活センター
ホテルや旅館の許可なく殺虫剤を使用した場合、トラブルになったり、ほかの宿泊客に迷惑をかけてしまったりする恐れもあるでしょう。また、殺虫剤はエアゾールタイプが多いですが、飛行機で移動する場合は、せっかく用意しても機内に持ち込むことができません。さらに最近は、そもそも殺虫剤が効かない「スーパートコジラミ」も増えています。
このような理由から、殺虫剤をホテルや旅館で使うのはおすすめしません。防虫剤は、使用方法と使用量を守って正しく使いましょう。
見つからなかったけど不安…そんな時にやっておきたいトコジラミ対策
ホテルや旅館の部屋の隅までしっかりチェックして、トコジラミがいないことが分かれば一安心ですよね。とはいえ、「今、見えなかっただけかも…」と、不安に感じることがあるかもしれません。念のためのトコジラミ対策として、以下を取り入れてみましょう。
荷物の置き場所・置き方に注意する

部屋にトコジラミがいないことを確認できたら、一時的にバスルームに置いていた荷物を部屋に移動させても構いません。ただ、それでも床に直接置かないほうが無難です。
ステンレス製の荷物台があれば、その上に荷物を置いておきましょう。または、荷物を大きなビニール袋の中に入れておくという方法もあります。ステンレス製の荷物台がなかったときのために、荷物がすっぽり入るくらいの大きなビニール袋を用意しておくことをおすすめします。
虫よけアイテムを使う
トコジラミに刺されるのを防ぐために、虫よけアイテムも準備しておくとよいでしょう。
トコジラミは、樟脳(しょうのう)の香りを嫌うといわれています。これが含まれた虫よけアイテムや、アロマなどを使うのも一つの方法です。
また、身体に塗るタイプの虫よけ剤も、トコジラミに対して効果が期待できます。ただ、屋内でも使えるかどうか、対象年齢などを確認したうえで、正しく使用するようにしてください。
寝る時も部屋の明かりをつけておく
トコジラミは、暗い夜に活発に行動しますので、刺されるのは寝ている間が多いといわれています。夜寝る時も部屋の明かりをつけっぱなしにしておくと、トコジラミが潜んでいるところから出てきにくくなり、刺されるリスクも減らせるでしょう。「部屋が明るいと眠れない」という人は、寝る時にアイマスクを着用するのはいかがでしょうか。
トコジラミに刺されたときの対処法
トコジラミに刺されると、かゆみや皮疹が起こります。ただ、症状が現れるまでの時間や程度には個人差があります。

もし、トコジラミに刺されたような症状が現れた場合、すぐに皮膚科に行きましょう。ただし、旅先では難しい場合もあります。そんなときは、近隣の薬局で、薬剤師または登録販売者に「トコジラミに刺されたかもしれない」ことと症状を伝え、適切な薬を教えてもらうようにしてください。それでも症状が改善されない場合は、やはりできるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。また、ホテル内で症状が出たのであれば、ホテルのフロントに連絡しておくのも忘れずに。
ホテルで対策が必要なのはトコジラミだけじゃない
トコジラミに限らず、旅先のホテルや旅館では、ダニなどの虫刺されに遭うこともあります。ただ、ダニに刺されたからといって、「部屋の清掃が不十分」であるとは限りません。ダニは高温多湿の環境を好み。人が快適だと感じる環境に生息しています。きれいに掃除をしても、自分が身につけていた服や荷物についていた可能性もあります。きれいな部屋でもダニに刺される可能性はあるので、トコジラミだけでなく、ダニの対策もしておきましょう。

旅先でのダニよけ・虫よけにおすすめなのが、ウッディラボの「ダニよけシリカ」です。先にもお伝えしたとおり、エアゾールタイプの商品は飛行機内に持ち込めません。また、薬品が使われた殺虫剤や防虫剤を大量に使うと、健康に影響を及ぼす恐れもあります。「ダニよけシリカ」は、殺虫剤・忌避剤等も使用していない、置くだけタイプの虫よけアイテム。コンパクトなので、いろいろな場所に手軽に使えて便利ですよ。しかも、一度袋から取り出した後も、香りが続く範囲で繰り返し使えます。チャック付きの包装なので、ホテルや旅館のベッドや布団で使用したダニよけシリカの回収も簡単。持ち帰って、別の場所でも使えます。
トコジラミを持ち帰らないために、ホテルでしっかり対策を
トコジラミは、自力での駆除が難しい厄介な害虫です。ホテルや旅館に宿泊する時は、トコジラミを持ち帰らないために、そしてトコジラミに刺されないために、しっかり対策をしておきましょう。虫よけアイテムや防虫剤は手軽で便利ですが、使用方法や量を誤ると、健康に影響を及ぼすことがあります。説明書をよく読み、正しく使用するようにしてください。




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