衣類の防虫剤って必要?効果や選び方、正しい置き方をご紹介

タンスやクローゼットなどで服を保管する際、衣類用の防虫剤を使っていますか?「今まで虫食いされたことないし、うちは大丈夫」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、衣類用の防虫剤の使用は、虫食い予防以外にもさまざまなメリットがあります。今回は、衣類用防虫剤の効果や選び方、正しい置き方や、使用する際の注意点などをお伝えしていきます。
衣類用防虫剤の効果

衣類用の防虫剤とは、衣類を食べる虫(衣類害虫)やダニから衣類を守るために使用するものです。具体的には、虫を寄せつけない、虫の食欲を減退させる、卵の孵化を抑制するなどの効果があります。食欲がなくなって動けなくなった虫が最終的に死んでしまうことはありますが、防虫剤そのものに殺虫効果はありません。
衣類用の防虫剤の主な目的は、虫食いの被害を防ぐことですが、防カビ剤が含まれた防虫剤を使えば、同時に衣類のカビ対策もできます。また、カバータイプの防虫剤には、衣類をホコリから守ったり、光による色褪せを防いだりする効果もあります。
このように、衣類用の防虫剤にはさまざまなメリットがあります。衣替えで衣類を長期保存するときだけでなく、普段の衣類ケアにも活用すると、衣類が長持ちしやすくなるでしょう。
衣類用防虫剤の選び方

衣類用防虫剤にはさまざまな製品がありますが、適切な製品を選ばないと、せっかく設置しても期待した効果が得られないことがあります。ここからは、衣類用防虫剤の選び方や種類について、詳しくお伝えします。
衣類の防虫剤は場所や用途に合わせて選ぼう
同じシリーズの製品でも、「衣装ケース用」「クローゼット用」「カバータイプ」というように、種類分けされていることがあります。「一体何が違うの?」「1種類だけでいいのでは?」と思われるかもしれませんが、これらは使用する場所や用途に合わせて、成分や量が調整されています。そのため、パッケージに記載されている使用場所・用途以外に使うのはおすすめしません。
たとえば「衣装ケース用」は、その名のとおり衣装ケースのような狭い場所で使うことを想定して作られています。これを洋服ダンスやクローゼットなど広い空間で使っても、防虫成分が全体に行き渡らないため、あまり効果は得られないでしょう。
衣類の防虫剤は、パッケージをよく確認して、使用する場所や用途に合う製品を選ぶことが大切です。
衣類用防虫剤の種類
衣類用の防虫剤を選ぶときは、種類も確認しましょう。衣類用の防虫剤は成分別に、以下のように4種類に分けられます。
ピレスロイド系 | 衣類にニオイがつかない無臭性の防虫剤です。衣類害虫だけでなく、ダニを寄せつけにくくする効果もあります(屋内に生息するダニに限る)。 |
パラジクロルベンゼン | すばやい効き目が特徴の、有臭性の防虫剤です。ウールや絹素材に適しています。 |
ナフタリン | 効き目がゆっくりと持続する、有臭性の防虫剤です。フォーマルウェアや、和服、人形などに適しています。 |
しょうのう | ハッカのようなスースーとした香りがする有臭性の防虫剤です。ウールや絹素材に適しています。 |
このうち、異なる種類の防虫剤と併用可能なのはピレスロイド系だけです。そのほかの3つは、併用すると薬剤が溶けてシミになったり、変色したりする恐れがあります。同じ空間で複数の製品を使う場合は、それぞれの種類を確認して、併用しないように注意しましょう。
「違う種類の防虫剤に変えたい」または「今使っている防虫剤の種類がわからない」という場合は、まず古い防虫剤を取り除き、収納場所に風をあてて、古い防虫剤のニオイを飛ばしてから新しい防虫剤を設置するようにしてください。
衣類用防虫剤の正しい置き方
衣類用の防虫剤は、選び方だけでなく置き方も重要です。正しい置き方をしないと、防虫成分が空間全体に行き渡らず、防虫剤を置いているにもかかわらず虫食いの被害にあってしまうことも。

防虫剤の成分は空気より重く、上から下に広がっていきます。置くだけタイプの防虫剤は、畳んだ衣類の一番上に置くと、防虫成分が全体に行き渡りやすくなるでしょう。
吊り下げタイプの防虫剤は、ハンガーパイプに等間隔に吊り下げるのがポイント。一か所にまとめて吊り下げると、離れたところにかけている衣類まで防虫成分が行き渡らない可能性があります。
製品のパッケージに「使用方法」も書かれていますので、これをよく読み、正しく設置するようにしましょう。
衣類用防虫剤を使うときの注意点
衣類用の防虫剤を使うときは、置き方以外にも注意することがあります。
収納場所は密閉する
衣類用の防虫剤は、基本的には密閉空間で効果を発揮するものです。収納場所全体に防虫成分を広げることで、衣類を虫から守ってくれます。衣装ケースの引き出しやクローゼットの扉が開けっ放しになっていると、防虫成分が外に出てしまい、効果が弱まるので、できるだけ密閉状態を保つようにしましょう。
ウォークインクローゼットのように、密閉性の低いで場所で保管している衣類には、カバータイプの防虫剤がおすすめです。カバータイプなら、衣類をホコリや色褪せからも守ってくれます。
衣類を詰め込みすぎない
収納場所いっぱいに衣類を詰め込んでいると、防虫剤を正しく設置しても、防虫成分が空間全体に行き渡りにくくなります。また、詰め込みすぎると衣類が傷みやすくなるというデメリットも。防虫剤に十分効果を発揮してもらうため、そして大切な衣類を長持ちさせるためにも、8割収納を意識して、少し余裕を持たせておくことをおすすめします。
既定の使用量を守る
衣類用の防虫剤は、たくさん使えばそれだけ防虫効果も高まるというものではありません。使う量が多すぎると、室内の防虫剤の濃度が高くなり、眼や鼻、のどなどの粘膜が刺激され、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。特に無臭性のピレスロイド系は、濃度が高くなっていても気づかないことが多いため、注意が必要です。
また、低濃度であっても、長時間吸い込み続けると健康に影響を及ぼすことがあります。防虫剤を使用するときは、使用量を守ることに加えて、パッケージに記載されている「使用上の注意」もよく確認したうえで、正しく使用するようにしてください。
衣類の防虫にはカビ予防もできる「ダニよけシリカ」がおすすめ

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「ダニよけシリカ」は、天然由来の香りを主成分とした、置くだけ簡単ダニよけアイテム。強い薬剤は使われていません。コンパクトなので、クローゼットや衣装ケースはもちろん、靴下やハンカチを収納するような小さな引き出しにも設置できます。1袋25個入りとたっぷり入っているので、衣替えのときだけでなく、普段の衣類ケアにも手軽に使えます。使用量としては、敷布団1枚に対して3~6個が目安です。
ダニよけと防虫だけでなく、防カビ効果もあるので、衣類のカビ対策アイテムを探しているという方にもおすすめです。
大切な衣類を守るために、場所・用途合った防虫剤を正しく使おう
衣類用の防虫剤は、主に衣類の虫食いの被害を防ぐためのものですが、製品によってはカビ予防やホコリ・色褪せの防止、ダニよけ効果があるものもあります。大切な衣類を長持ちさせるためにも、衣類用の防虫剤を上手に活用しましょう。
衣類用防虫剤にはさまざまな種類がありますが、選び方や使い方が間違っていると、十分な効果が得られなかったり、健康に悪影響が出たりする可能性もあります。防虫剤は、使用する場所・用途に合った製品を選び、正しい方法で使うことが大切です。







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