和室を快適に。畳にダニを発生させないポイントとは?

小さな子どもを育てる家庭にとって、使い勝手がよいと見直されている畳敷きの和室。畳の上に敷いた布団なら、突然寝返りができるようになる赤ちゃんがベッドから落下するような危険がありません。ただし、和室で子育てをするとなると、気になるのがダニの発生です。床と接する時間の長い赤ちゃんや小さな子どものいる部屋でダニが増えてしまうと、刺されるだけでなくアレルギーをおこしてしまう心配もあります。畳にダニが発生する条件やダニが発生してしまった時の対処法とともに、日常的にやっておきたいお手入れ方法をお伝えします。

畳にダニが発生する理由

畳は、日本で昔から使われる床材であり、芯材となる畳床(たたみどこ)の表面に、イグサで織った畳表(たたみおもて)を貼り付けて作られます。畳の構造上、断熱性や通気性、保温効果があるだけでなく、音を吸収する働きもあるため、小さな子どもがいる家庭にぴったりの床材です。また、イグサが持つ植物の働きで湿度を調整してくれるのもありがたいところ。メリットの多い畳ですが、きちんとケアしないとダニが住み着いてしまいます。というのも、近年では、鉄筋コンクリート造の建物が多いため、畳が持つ吸湿、除湿の役割が弱ってしまうから。そのほか、畳にダニが発生してしまう理由として、以下のようなものがあります。

ダニのエサが豊富で、隠れやすい

繊維が密集した畳は、ダニにとってかっこうの隠れ場所に。一度発生してしまうと、なかに入り込んで、繁殖を続けてしまう可能性があります。

そもそも、ダニは畳に限らず、人が生活する場所に発生しやすいものです。というのも、ダニが好む温度と湿度は、温度20度以上、湿度60%~80%の高温多湿であり、この温度、湿度帯は、人が過ごしやすい温度、湿度領域に近接しているからです。そうした条件下で畳を使用していると、ダニが発生しやすくなってしまいます。また、畳に限らず、人が生活している場所はダニのエサが豊富です。チリダニ類は人間のアカやフケ、髪の毛、カビをエサとし、増えたチリダニ類をツメダニ類がエサにする……という悪循環で、ダニが増えてしまいます。畳の内部までダニが入り込んでしまうと、掃除機では吸い取りにくく、隠れた状態で大繁殖してしまう可能性があります。

ダニが発生しやすい布団から畳に移り住む

室内でダニが繁殖しやすい場所の1つに、布団類があります。布団は人から出る汗や蒸気、体温によってダニが好む温度・湿度が整いやすく、エサが豊富。さらに繊維の奥は絶好の隠れ家となり、卵を産み付けるのにも好都合というわけです。そうした布団から、畳にダニが移り住んでしまうこともがあります。

畳敷きの部屋を寝室にする場合、ベッドを置くのではなく、直接、布団を敷いている場合がほとんどでしょう。畳敷きの部屋を夜は寝室として使い、日中は布団を上げずに部屋の隅に布団をまとめている場合は要注意です。さらに風通しの悪い室内環境の場合、畳に移った湿気が抜けないため、ダニが過ごしやすい環境となってしまいます。

畳の上に敷くカーペットには要注意

畳が傷むのを気にして畳の上にカーペットを敷いてしまうと、さらにダニが繁殖しやすい条件が整います。本来、畳には通気性や湿度を調節する働きがありますが、カーペットを敷いてしまうと、そうした機能を損ねてしまいます。湿気がこもれば、ダニだけでなく、カビが発生してしまうリスクも高くなってしまうでしょう。

また、カーペットと畳との間にゴミやホコリが溜まれば、ダニやカビにエサを与えてしまうことになりかねません。そもそもカーペット自体も繊維が密集しているためダニが住み着きやすい場所。できれば、畳の上には何も敷かず、そのままの状態にしておいたほうがよいでしょう。どうしてもカーペットを敷きたい場合は、通気性が良く、防カビ、防ダニ加工をされたカーペットを選ぶのがおすすめです。加えて、掃除の回数を増やすといった工夫で、快適な状態を保ちたいですね。

畳に発生したダニの退治方法

畳に寝転んでいたら、ダニ刺されのような跡が……。もしかしてダニがいる?

そんなときは、畳に発生したダニを退治するのが先決です。家族がダニの被害にあう前に、すっきり掃除を行いましょう。

高い温度と乾燥で死滅させる

ダニは乾燥と高温に弱い小さな生き物です。55℃以上で死滅、また、湿度40~50%の状態が続くと5~11日で脱水のため死滅します。こうしたダニの性質を理解し、昔から取り入れられてきたのが「畳干し」です。少し手間がかかりますが、畳をきれいに保つためにも有効な方法です。

畳干しは、畳全体を乾燥させるようにするのがポイントです。まず、畳を持ち上げ、缶などの支柱となるようなものを挟んで、畳と床の間に風を通します。そのまま1週間ほど風を通し、通気性をよくした状態で乾燥させると効果的。また、畳を持ち上げた際には、畳の下の掃除をしておくと良いでしょう。すべての畳を取り外せるなら、そのまま天日干しすると、時間短縮が可能です。ただし、日に当てすぎると畳が変色してしまう可能性があるので、注意が必要です。寝室として使用している場合には、布団から畳へダニが移り住むことを防ぐために、布団のダニ退治も同時に行いましょう。

畳を持ち上げたり、外したりできない場合には、布団乾燥機を使って畳の温度を上げる方法もおすすめです。畳の上に布団乾燥機を直置きし、その上から布団をかけて高温設定で起動させるだけでOK。時間はかかりますが、1畳ずつ行っていくとよいでしょう。

退治した後はしっかりお掃除を

乾燥や高温でダニを死滅させた後は、ダニの死骸をしっかり取り除くことが大切です。ダニの死骸を好むダニがいるため、ほうっておくと別の種類のダニが繁殖しかねません。また、ダニの死骸はダニアレルギーの原因にもなります。

ダニの死骸はとても小さく空気に舞いやすいため、吸引タイプの掃除機で静かに吸い込むようにするのがポイント。掃除機をかけると、死骸だけでなく生き残っていたダニもしっかり吸い取ってくれます。

ダニは掃除機に吸い込まれると、ぶつかるなどのショックで70%以上は死んでしまうとされています。ただし、生き残ったダニは掃除機の中で繁殖を始めます。特に、紙パック式の掃除機は要注意。紙パックのなかでダニが繁殖してしまうと、なにかのタイミングで、そのダニが室内に戻ってしまうかもしれません。ダニが繁殖しないうちに紙パックをこまめに取り換える、高性能な紙パックを選ぶ、掃除機の紙パック内でダニを抑制するアイテムを併用するなどして、掃除機自体のダニ対策も行いましょう。

日常的に行いたい畳ケアのポイント

ダニを減らした後は増やさないように、予防を行うことが大切です。こまめな掃除と湿度コントロールができれば、畳自体の劣化を防ぐのにも役立ちます。

畳に掃除機をかける際には、畳の目に沿って優しくゆっくり行い、畳の目の間に入っている細かなゴミを吸い込むように意識しましょう。さらに、ダニ対策として、ダニ除けスプレーやダニ除けシートなどを使い、繁殖を防ぎましょう。

ただし、ダニよけスプレーを使用する場合、薬剤に赤ちゃんが触れてしまわないように注意しなければいけません。部屋のあちこちに触れて、そのまま手を口に入れてしまう赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では、畳の上に薬剤が残っていると不安です。また、ダニよけシートの中には、ダニを集めるタイプのものがあります。ダニの死骸が集まったシートを触ったり、口に入れたりしないように注意したほうが良いでしょう。繊細な肌の赤ちゃんや小さな子どもが過ごす畳の部屋は、できるだけ体に影響の少ない天然素材のもので、ダニを寄せ付けないタイプのダニよけがおすすめです。

畳のダニ対策で、気持ちよい子育てを

小さな子どもは想像を超えて、家じゅうのいたるところに動き回ります。転んでも痛くない、ドタバタの音を和らげる、そんな畳のお部屋は赤ちゃんや小さな子どもとの生活のなかでメリットが多いものです。しかし半面、気になるのがダニの発生です。もしダニが発生してしまったら、ダニを死滅させて環境をリセットしましょう。その後は、畳の目に沿って掃除機をかけること、湿度をためないようにすること、便利アイテムを利用しながらダニの発生を抑えるなど、ダニ予防を心がけて。安心して子育てができる空間を作るためにも、快適な畳生活を送っていきましょう。

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