座布団をダニから守る!〜来客時に慌てないためのお手入れ&収納方法〜

生活様式の洋風化により、普段の暮らしの中ではあまり使われなくなった座布団。活躍する場面といえば、たいていの場合来客時でしょうか。たまにしか使わないものだからこそ気をつけたいのが、座布団のダニ被害。いざ必要となったときに慌てないよう、快適に使えるように普段から整えておきたいものです。今回は、座布団をダニから守る方法をお伝えします。雑学としても楽しめる、座布団にまつわる豆知識もご紹介しましょう。

座布団にダニがつきやすいワケ

そもそもなぜ、座布団にダニがつきやすいのでしょうか? ダニが繁殖しやすい条件を知れば、座布団が、“ダニの楽園”になってしまうことがよくわかります。まずは、「家の中に潜むダニの種類」と「ダニが繁殖しやすい条件」の2つを確認しておきましょう。

家の中に潜む3種のダニ

家に棲み着いているダニは、主に次の3種です。

  • チリダニ
    チリダニは、ヒョウヒダニとも呼ばれるダニの一種。人を刺すことはありませんが、フンや死骸を吸い込むことで、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を引き起こすことがあります。
  • コナダニ
    主に小麦粉をはじめとする粉類や乾物、畳などに発生するコナダニ。こちらも人を刺すことはありませんが、大量に発生するとコナダニを捕食する「ツメダニ」が増殖し、その結果、ツメダニの刺咬被害が増えることにつながります。
  • ツメダニ
    コナダニやチャタテムシなどを捕食するのがツメダニです。吸血はしないものの、人を刺すことがあるため、刺咬症(※1)の原因になることがあります。

※1 刺咬症:いわゆる「虫刺され」のこと。ツメダニに刺された場合は、かゆみや赤い腫れが出た後、1週間ほどしつこいかゆみが続くのが特徴といわれています。

ダニが繁殖しやすい3つの条件

ダニにとって、「家の中は最高の環境」だといいます。なぜなら、以下に記した「ダニが繁殖しやすい3つの条件」が見事にそろっているからです。実はこの条件が、座布団にも当てはまります。多くの座布団は詰め物として綿が使われていますから、湿気がこもりやすい状況にあることも、ダニにとっては好都合というわけです。改めて、ダニが好む3つの条件について見てみましょう。

<ダニが繁殖しやすい3つの条件>

  • 温度……ダニの繁殖に適した温度帯は、20〜30℃といわれています。
  • 湿度……ダニは湿潤な環境を好み、60〜80%が繁殖に適しています。
  • エサ……ダニは人の皮脂や食べこぼし、ホコリなどをエサにします。

ほかにも、ダニは「繊維の多い場所」や「暗い場所」を好みます。座布団をはじめ、布団やカーペット、ソファなどは、まさにダニの好みがギュッと詰まった楽園のような場所といえるのです。


(コラム)座布団小話① <座布団の歴史>

座布団の始まりは、平安時代に位の高い人たちが使っていた「茵(しとね)」です。薄畳に布の縁がつけられた正方形の敷物で、置き畳の上で用いられていました。現在のように中綿が入れられるようになったのは、江戸時代の中期頃といいます。その後、全国津々浦々、庶民まで広く使われるようになったのは、大正時代に入ってからのことです。


座布団のダニ対策~普段のお手入れ方法~

まずは、座布団のお手入れ方法を紹介します。単純すぎるかもしれませんが、ダニ対策の基本ともいえる効果の高い方法です。

座布団は定期的に天日干しを!

中綿にこもった湿気を飛ばすためにも、お天気のいい日は外干ししましょう。干すときのポイントは次のとおりです。

<座布団を天日干しする際のポイント>

  • カバーをしている場合は、カバーを外すこと。
  • 表面についたホコリは軽く払うか掃除機で吸い取ること。強く叩くと中綿や生地を傷めてしまう恐れがあります。
  • 干すのに最適な時間は、10時から13時。雨の降った翌日や朝早い時間帯はNG。かえって湿気を吸ってしまいます。

汚れが気になる場合はプロにお任せするのがベター

座布団は飲食を伴う場面で使われることが多いため、意外と汚れやすいもの。では、汚れた場合はどうしたらいいのでしょうか? 表面のちょっとした汚れであれば、固く絞った雑巾などで拭き取るといいでしょう。問題は、汚れが中まで染み込んでしまったようなケースです。洗濯表示を確認して、水洗いがOKであれば洗ってしまうのも手です。自宅で洗う場合、推奨されているのは「手洗い」です。コインランドリーで洗うのはNG。ただし、中綿が偏ってしまったり、変形してしまったりする恐れがあるため、自宅で座布団を洗うのは難易度が高いとされています。そこで、おすすめしたいのが「クリーニングに出すこと」。とはいえ、費用もかかりますし、年に数回程度しか使わないものを定期的にクリーニングに出すのは手間だと思われるかもしれません。汚れを放置したまま、カバーを変えるという方法もありますが、あとあと虫やカビの発生源になる可能性があります。場合によっては処分も検討する必要があるかもしれません。使用頻度などにあわせて、より良い方法を選んでみましょう。

座布団のダニ対策~収納方法~

来客用の座布団の収納方法とともに、普段使いの座布団の収納方法も紹介します。

来客用座布団の収納方法

来客用の座布団は、押入れやクローゼットに収納することが多いのではないでしょうか。普段使わない座布団だからこそ、以下の点を意識して保管しましょう。

  • ホコリ予防に収納袋に入れて保管する
    押入れやクローゼットの中でもホコリはついてしまうので、収納袋などを利用するとより安心です。そのなかに、除湿剤やダニ除けなどを入れておくと良いでしょう。
  • 定期的に換気する
    保管後は、定期的に押入れやクローゼットの扉を開けて換気をし、湿気を逃すようにしましょう。たまには、収納袋から取り出して天日干ししておくのもおすすめです。

普段使いの座布団の収納方法

普段から座布団を使っていて、時折片付ける場合には、「置き場所を決めておく」と良いでしょう。座布団が入るカゴなどを利用して、きちんと置き場所を定めることで、見た目もすっきり片付きます。定位置となるカゴなどの中に、除湿剤やダニ除けアイテムを入れておくと、片付けるたびに湿気対策、ダニ対策ができます。


(コラム)座布団小話② <座布団のカタチとサイズ>

座布団は「正方形」というイメージがありませんか? 実は、よく見ると「長方形」なのです。正座をすると両膝を合わせた幅よりも膝下の方が長いため、一般的に座布団は、幅よりも奥行きが一寸(およそ3cm)長く作られているそうです。

サイズも思っている以上にさまざまあるのですが、ここでは、「S・M・L」で分類されるJIS規格に対応する座布団を、独自の名称とともに紹介します。

  • Sサイズ(51×55cm) 木綿判(もめんばん)
    少し小さめの木綿判は、使いやすさが評判です。子ども用の座布団としてもおすすめ。
  • Mサイズ(55×59cm) 銘仙判(めいせんばん)
    よく見かける一般的なサイズの座布団です。流通量も多く、座布団カバーの種類も多いため、気に入ったものが見つかりやすいという利点があります。
  • Lサイズ(59×63cm) 八端判(はったんばん)
    男性でもゆったりと座れます。目上のお客さまをお迎えする座布団として最適です。

座布団の保管にとっても便利!〜おすすめグッズのご紹介〜

たまにしか使わない座布団を収納する際、おすすめなのが、ダニよけアイテムを使うこと。ウッディラボの「ダニよけシリカ」は、天然由来の香りでダニをよせつけない便利アイテムです。基剤となるシリカゲルは除湿剤としての機能もあるため、湿気がこもりやすい座布団の収納にピッタリ。手のひらサイズなので使い勝手がよく、ポンと置いておくだけでダニ対策ができてしまうのもうれしいところです。殺虫成分など強い薬剤は一切使用せず、心地よい香りが広がります。保管しているのに、良い香りの座布団になりますよ(※)。

※使用期限は約90日間。使用状況によっても異なります。

ダニ対策で、快適な座布団に整えよう!

座布団といえば、普段使いというよりは、来客用にしているご家庭が多いかもしれません。毎日使う寝具類などに比べるとダニ対策を忘れがちかも。けれど、ダニが好む環境を知れば、座布団にも対策が必要なことは、お判りいただけるのではないでしょうか。来客時に慌てないためにも、きちんとお手入れをして、然るべき場所で収納しておきたいものです。といっても、布団などと同様に、お天気がいい日に外干ししたり、収納場所をしっかり換気したりするのがポイント。日頃から座布団のこともちょっと気にかけてみませんか。

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