布団ダニ、増えてるかも!?赤ちゃんにもやさしいダニよけ対策
1日の1/3を過ごすといわれるお布団やベッド。小さな子供や赤ちゃんにとっては、一日の大半を過ごす場所です。快適に過ごすためにも清潔にしておきたいけれど、気になるのは、湿度と気温が上がり始めるとともに増えるダニ。ダニの影響で困るのは、刺された時の赤身だけではありません。かゆみ、くしゃみや鼻水など、ダニによって引き起こされるトラブルは意外と多いのです。今回は、寝具にダニが増える理由とともに、ダニの退治方法や予防方法をご紹介します。
布団ダニの疑いあり?肌のかゆみ、くしゃみや鼻水
赤ちゃんの手足に虫刺されの跡を見つけたとき、原因がわからなければ不安になるものです。「ママ、かゆい」そう言って起きてきた子供の腕を見ると小さな赤い湿疹(しっしん)が……なんてこともあるでしょう。そうした発疹やかゆみを起こす原因の一つとして考えられるのが布団ダニです。また、子供がお布団に入ったとたんに、急に鼻水やくしゃみが出てしまうときも要注意。布団に繁殖したダニによる困りごとには大きく2種類あります。詳しく見てみましょう。
区別しづらい「皮膚のかゆみ」
ダニの影響で最もわかりやすいのが皮膚のかゆみ。
赤ちゃんや小さな子供の肌はデリケートです。強いかゆみを伴う発疹はさまざまな場面で起こりますが、その発疹がダニによるものかどうかを見分けるのは難しいかもしれません。
布団ダニかどうかの判断ポイントは、就寝中に発生したと考えられるもの。そして、肌の柔らかい部分(内もも、下腹部など)にできているかどうか、また、発疹の場所が不規則になりやすいことが挙げられます。子供が寝起きにかゆみを訴えたら、寝る前はかゆくなかったかどうかを確認するとよいでしょう。
ダニ刺されと間違いやすいのが、あせもです。あせもの場合は、ひじの内側、足のつけ根やお尻、ひざの裏側など、汗をかきやすい部分にできやすいのが特徴です。一方、虫刺されは、肌の露出部分に起こりやすくなります。発生した場所やタイミングを確認しながら、チェックしてみましょう。
気づきにくい「アレルギー反応」
もうひとつ、チェックしておきたいのがアレルギーの影響です。ダニの死骸や抜け殻、フンは細かいちりとなり、アレルゲンとなって体内に入りこみます。アレルギーが発症しやすいタイプの子供は、虫刺されがなくても、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・肌のかゆみ、気管支喘息といったアレルギー症状を起こしてしまう可能性があります。しかし、花粉症のように季節に関係して症状が出るアレルギー反応と比べ、日常で起こりやすいダニアレルギーは気づきにくいかもしれません。
布団に入ったとたん、鼻水がでて、くしゃみも連発といった変化に気づいたら、まず布団のお手入れやシーツ交換を行ってみましょう。お手入れ後、一時的に症状がおさまる場合、ハウスダストやダニアレルギーの影響でアレルギー反応が出ていた可能性が考えられます。
そもそも、なぜ布団にダニが増えるの?
布団やベッドマットなどの寝具はダニが増えやすい条件がそろっています。では、なぜそうした環境でダニが増えてしまうのでしょうか?
寝具はダニが好む温度と湿度になりやすい
ダニは、温度20度以上、湿度60%となる高温多湿 の環境を好みます。特に梅雨時以降にあたる温度25~28℃、湿度65~75%はダニの繁殖に最適な条件がそろっているとされています 。ダニは卵から産まれて成虫になるまでに1か月程度。驚異的な繁殖力で2~3か月で200~400個の卵を産み、1シーズンで30万匹になるほど! ダニにとって最適な温度と湿度が保たれる布団は、爆発的に増えていく温床になりやすいのです。
エサが豊富
長い時間過ごす布団は、アカやフケ、髪の毛などをエサにするヒョウダニ類が好む環境。さらに、ヒョウダニ類が増えると、それをエサとするツメダニ類まで増えることになります。ヒョウダニ類は人を刺しませんがアレルギーの原因となり、ツメダニ類は人を刺すやっかいな虫です。
布団やベッドマットは隠れやすく住み着きやすい
繊維が密集している布団やベッドマット。体長が0.2~0.4mmのヒョウダニ類や0.2~1mmのツメダニ類にとっては住み心地のよい場所です。隠れる場所も卵を産み付ける場所も豊富にある、いわばダニの温床といえます。
布団ダニは退治後の対策が大切!
高温多湿でエサが豊富な寝具類は、ダニが好む条件になりやすく、放っておくとダニはどんどん増えていきます。子供や赤ちゃんを守るためにも、また、快適な睡眠をとるためにも、ダニの対策は欠かせません。退治した後は「ダニを増やさない・寄せ付けない」環境を作りましょう。
まずは布団ダニを退治しよう
ダニを予防する前に、まずは、今使っている布団のダニを退治しましょう!
・天日干しをする
布団を清潔に保つためには、しっかり乾燥させる時間をとることが大切です。ポイントは、布団全体を乾燥させ温度を50度以上に上げること。晴天時には、定期的に布団を干してダニ対策を始めましょう。日光の当たっている表面の温度が上がっていても、日陰となっている布団の裏側にダニが逃げてしまうと退治しきれません。布団を干す際には、布団の内部までしっかり温度が上がるように、黒いビニール袋をかけておくのがおすすめです。ダニがしっかり退治されるよう、布団全体の温度を上げるようにしていきましょう。
また、アレルギーの影響を考えて、日干し後の布団は掃除機でダニの死骸を吸い込むとよいでしょう。ダニの死骸は細かいちりとなり、部屋の中に残ってしまいます。布団をたたくだけで終わらず、しっかりと取り除くことが大切です。
・布団乾燥機を使う
ダニ対策モード搭載の布団乾燥機が各メーカーから発売されています。布団乾燥機は、お天気を気にすることなく布団の温度を上げ、乾燥させることができますね。それぞれの製品によって使い方やダニ対策モードにかかる時間が異なるため、使用説明書に従って使いましょう。
・丸洗いする
丸洗いも、ダニを一掃する方法の一つ。しかし、家庭の洗濯機では、布団を丸洗いすることは難しいもの。クリーニングに出すのが手軽ですが、費用も掛かるのでそう頻繁には利用できないかもしれません。コインランドリーで洗う方法もありますが、機械によっては対応できない素材もあるため、事前に調べておくとよいでしょう。また、洗った後に、しっかり乾燥させるのもダニ退治の大切な工程です。コインランドリーの乾燥機に対応した素材かどうかも、確認しておきましょう。
ダニを増やさない・寄せつけない対策
ダニ退治した清潔な布団になったら、今度はダニを増やさないための予防策を行いましょう。ダニを寄せ付けないためのポイントは3つ。
・自然派ダニよけを使う
赤ちゃんや小さな子供たちの布団のダニ対策では、強い薬剤が含まれた殺虫剤を使うのに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。できるだけ、安心できる環境を整えるために、天然成分や自然由来のダニよけを使用するとよいでしょう。なかでも、虫が嫌がる香りを使った天然植物由来の自然派ダニよけなら、家族みんなに優しい環境を作れます。
・ダニが入り込まないシーツや布団を選ぶ
ダニ予防を考えるなら、シーツや布団の素材を見直すのもよいでしょう。ダニの体長は0.2mm~1㎜程度とされています。生地の目が0.2㎜以下の細かい素材なら、ダニが入り込むスキマを与えません。布団の縫い目からダニが入り込む可能性もあるため、縫い目に工夫がされているものや縫い目のないものを選ぶとより安心です。
・シーツを取りかえ、こまめに掃除機をかける
ヒョウダニ類は人間のアカやフケ、髪の毛をエサとしています。寝ている間にそれらはシーツや布団の表面に付着するため、シーツを取りかえ掃除機をかけて吸い取っておきましょう。掃除機をかけることでダニの死骸を取り除くことができるため、アレルギー対策にもなりますね。
布団ダニへの対策でストレスレスの睡眠を
朝起きたらかゆい発疹ができていた、夜寝るときは鼻水が出て眠りにくい、などダニが増えた布団はストレスになりがちです。敏感な赤ちゃんの眠りを妨げる環境は夜泣きにもつながるかもしれません。リラックスして家族みんなでゆっくり眠れるよう、安心できる睡眠環境を整えていきましょう。そのためにはしっかりダニを退治し、できるだけダニを寄せ付けない工夫が必要です。快適な睡眠環境をできるだけ長持ちさせたいですね。
参照元:
「健康・快適居住環境の指針」 分冊版 室内の環境整備とアレルゲン対策|東京都福祉保健局
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