グリーンと暮らす〜観葉植物・ガーデン・家庭菜園のすすめ〜

季節折々の変化を表す二十四節季。万物が満ち足り、草木が繁るとされる「小満(しょうまん)」が過ぎ、本格的な梅雨を迎えました。どんよりした空模様が続くと、なんだか心まで鬱々としてしまいます。この時期、そばに置きたいのがグリーン(植物)。いきいきとした姿を眺めているだけで、心が和みませんか。今回は、初心者にもおすすめの観葉植物のほか、ガーデンと家庭菜園で花や野菜を上手に育てるコツを紹介します。

インテリアとしてのグリーン〜観葉植物〜

暮らしの中のグリーンといえば、代表格は「観葉植物」でしょう。これは文字どおり、「葉」の色や形を「観」賞する「植物」。それゆえ、室内を彩るインテリアとしても用いられてきました。また、空気清浄機や加湿器のような効果、森林浴のようなリラックス効果なども期待できます。

観葉植物を育てるコツ、飾るコツ

観葉植物はインテリアになるといっても、壁紙や家具、調度品とは違い、植物としての命があります。生きている植物を扱うには、それなりのお世話が必要です。せっかくステキな観葉植物を選んでも、枯らしてしまうのは残念なこと。きれいな状態を保つためにも、上手に育てる方法を知っておく必要があります。また、気に入った観葉植物を好きなように置けば、すてきなインテリアとなるわけではありません。そこで、ここでは観葉植物を育てるコツと飾るコツを見ていきましょう。

観葉植物を上手に育てる3つのコツ

観葉植物を育てるコツは、「水やり」「日当たり」「風通し」の3つ。ここをしっかりと押さえれば、枯らしてしまうことはないはずです。

【コツ①水やり】

水やりの基本は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水をあげること。「植木鉢の底から受け皿にあふれる

くらい」が、適量です。あふれ出た水は、受け皿に溜めておかずに捨てましょう。余分な水を残しておいたり、水を与え過ぎたりすると、根腐れを起こしてしまうので気をつけなければいけません。

また、夏の水やりは、早朝あるいは夕方から夜の涼しい時間帯に行いましょう。なぜなら、昼間は気温が高く、鉢の中が蒸れてしまうからです。逆に、冬の水やりは、昼間に行ってください。朝晩は気温が低く、水分の凍結を避けるためです。

【コツ②日当たり】

観葉植物は植物ですから、やはり光は欠かせません。とはいえ、日当たりの好みは品種によってさまざま。強い日光を好む種類もあれば、日陰を好む種類もあります。なので、自宅に迎え入れたい観葉植物の性質をしっかりと把握し、日当たりを考えながら置き場所を確保しましょう。

【コツ③風通し】

室内の空気が澱んでいると、換気ができず、人によっては体調不良を招くことがあります。それは、観葉植物も同じ。空気の循環しない部屋では、カビや害虫が発生し、病気になってしまうことも。観葉植物を健やかに育てるためには、水や光とともに風通しが不可欠です。窓を開けて風の通り道をつくるのが難しければ、扇風機やサーキュレーターを使い、空気を循環させるとよいでしょう。ただし、観葉植物にとって、強い風が直撃する環境は望ましくありません。葉が風に揺れない程度の風通しを心がけてください。

観葉植物を飾る3つのコツ

観葉植物を飾るコツは、「大きさ」「形」「器」の3つ。ここを押さえると、観葉植物は生きたインテリアとして、部屋を美しく見せてくれるはずです。

【コツ①大きさ】

ひとくちに観葉植物といっても、大きさはいろいろ。部屋の広さや雰囲気に合わせて選びましょう。目安は、植木鉢サイズ10号(直径30㎝)以上のものなら1部屋1鉢。それを部屋のシンボルツリーにします。空間に余裕があるなら、6号(直径18cm)くらいの小ぶりの品種を組み合わせてもよいでしょう。手のひらサイズのミニ観葉植物は、同じ品種をいくつか並べてもすてきです。

【コツ②形】

観葉植物は、形もいろいろ。枝や葉が横へと広がっている品種は、そのぶんスペースを確保しなければなりません。が、どんなテイストの部屋にもなじみます。逆に、枝や葉が縦に伸びていく品種は、ある程度の高さは必要ですが、横の広がりがないぶん、それほどスペースをとりません。シュッとした縦長のシルエットは、シンプルモダンな部屋によく合うでしょう。

【コツ③器】

インテリアとしての観葉植物は、鉢や鉢カバーといった器にもこだわりたいところです。一般的なのは、素焼き。なかでもデザイン性の高いテラコッタ鉢は、ガーデニングのアイテムとして人気です。もちろん、観葉植物の器にもぴったり。オリーブのような地中海原産の植物や南欧風インテリアによくなじみます。ナチュラルモダンやアジアンテイストの部屋には、ラタン(籐)の鉢カバーもすてきです。デザインや色を選べば、どの部屋にもマッチするのは、陶器や磁器。和室にも似合います。注目はモルタルの鉢。無骨でクールな印象ですが、意外とどのテイストの部屋にもなじみやすいうえに、空間がぐっとおしゃれになります。

初心者にもおすすめの観葉植物5選

観葉植物の種類は、じつにさまざま。もちろん、好みや部屋のテイストに合わせて、自由に選んでかまいません。とはいえ、初心者には育てやすい観葉植物から始めるとよいでしょう。

おすすめ①[小型]オリーブの木

オリーブの木は平和の象徴ともされ、庭のシンボルツリーにもよく使われます。品種や樹齢によりますが、樹高10mにもなる木です。が、剪定してあげると、室内でも育てやすい大きさに保てます。原産地が地中海沿岸というだけあり、太陽が好き。日当たりのよい場所を確保しましょう。

おすすめ②[小型]ガジュマル

ガジュマルが自生している沖縄では、精霊キムジナーが住むといわれています。ご存じのとおり、育つと樹高20mにもなる巨木です。が、植木鉢3号(直径9㎝)ほどのミニサイズもあり、その大きさは剪定で保てるので、卓上インテリアにもぴったり。太陽を好み、日当たりのよい場所で元気に育ちます。

おすすめ③[中型〜大型]インドゴムノキ

ゴムノキは、天然ゴムの原料となる樹木の総称。観葉植物として有名なのは、インドゴムノキです。じつは、ガジュマルと同じクワ科フィカス属の仲間。濃い緑色の艶やかな葉は、まさに「観葉」向きです。日当たりがよい場所で育てましょう。ただし、夏の直射日光は葉焼けの原因となるので注意してください。

おすすめ④[中型〜大型]パキラ

観葉植物の定番のひとつ、パキラ。原産地の中南米では、樹高20mを超える大木もあるのだとか。ただ、植え替えと剪定で、適度な大きさを保てます。耐陰性に優れ、日陰でも育つため、あまり場所を選びません。が、やはり日光浴をしたほうが、健康に育ちます。乾燥に強いので、水やりは控えめに。

おすすめ⑤[大型]幸福の木(ドラセナ・フラグランス・マッサンゲアナ)

「幸福の木」として知られている、ドラセナ・フラグランス・マッサンゲアナ。大ぶりの葉は緑色で、中央に黄色の縦縞が入っています。原産地は、高温多湿な熱帯アフリカ。そのため、暑さに強いものの夏の直射日光は避けてください。また、こまめに葉水(はみず/霧吹きで葉に水をやること)を行いましょう。

多肉植物とエアプランツ

比較的育てやすいといっても、観葉植物には「水やり」「日当たり」「風通し」は欠かせません。そこまで手をかけられないとしたら、多肉植物を育ててみるのはいかがでしょうか。「多肉男子」「多肉女子」なる言葉が登場するほどに愛好家の多い多肉植物とは、葉や茎、根などに水を蓄えている植物の総称。サボテンやアロエがおなじみです。観葉植物と同じく種類が多く、観葉植物よりは手がかからないため、インテリアとして取り入れやすいでしょう。

とはいえ、植物なので、水・日光・風は必要です。ただ、月2〜3回程度の水やりとたっぷりの日差しがあれば、元気に育ってくれます。湿度は苦手なので、蒸し暑い夏はよく風の通る涼しい場所に置いてください。

もうひとつのおすすめが、エアプランツ。これは、土がなくても育つ気生植物で、葉から空気中の水分を吸収します。水やりは、週1〜2回ほど霧吹きで水を吹きかけ、月1〜2回ほど水に浸してあげましょう。また、高温多湿を嫌うので、定位置は、直射日光のあたらない、明るく風通しのよい場所がベストです。

エクステリアとしてのグリーン〜ガーデンと家庭菜園〜

暮らしの中のグリーンは、家の中の植物ばかりではありません。庭の植栽もまた、日々の生活に潤いや安らぎを感じさせてくれます。

ガーデンづくりの3ステップ

1990年代にはガーデニングがブームとなり、2000年代になると個人の庭を一般開放する「オープンガーデン」が増えました。開放まではしていないものの、住宅街を歩けば目を引く庭はあちこちにあります。すてきなガーデンをつくるコツは、3つのステップを踏むことです。

【ガーデンづくりの3ステップ】

  • ステップ①:理想のガーデンをイメージする
    英国風、フランス風、北欧風、和風……どのようなガーデンをつくりたいのかを明確にして、完成イメージを思い描きます。
  • ステップ②:自宅の庭の状況を把握する
    庭のどこにガーデンの場所を確保できるのか、そこの日当たりや風通しはどうなのかを調べます。
  • ステップ③:ガーデンの設計図を描く
    完成イメージと庭の状況をもとに、動線と花壇の位置を決めていきます。

家庭菜園づくりの3ステップ

エクステリアのもうひとつのグリーンは、家庭菜園。“花より団子”派にも、花も団子も楽しみたい派にも、楽しめるのではないでしょうか。実りの多い家庭菜園をつくるコツは、次の3ステップを踏むことです。

【家庭菜園づくりの3ステップ】

  • ステップ①:つくりたい野菜を知る
    つくりたい野菜が決まったら、適した土壌、種まきや植え付けの時期、基本的な育て方などを調べます。
  • ステップ②:作付け計画を考える
    野菜の性質を考えながら、どこにどれくらい植えるのかを決めます。野菜のなかには、毎年同じ畑で栽培を続けると連作障害を起こすものも。回避策は輪作であり、そのためには作付けした場所を把握しておかなければいけません。
  • ステップ③:土壌改良を行う
    庭を耕し、石や木の根などを取り除き、堆肥と石灰を入れ、野菜の育ちやすい土壌(弱酸性〜中性)をつくります。

初心者にもおすすめの花と野菜3選

ガーデンの花も家庭菜園の野菜も、観葉植物と同じく、好みや庭のスペースに合わせて選んでかまいません。とはいえ、初心者は育てやすい花や野菜から始めましょう。

花のおすすめ①コスモス

コスモスは、見た目よりも丈夫な花です。あまり土質を選ばず、日当たりと風通しのよい場所なら元気に育ってくれます。種まき時期は3月〜7月ごろ。秋咲き品種は、6月〜7月に種をまけば、10月〜11月ごろに可憐な花を咲かせます。

花のおすすめ②クラスペディア

まん丸の黄色い花を咲かせるクラスペディア。病害虫に強く、育てやすい花です。高温多湿に弱いため、水はけがよく、日のあたる風通しのよい場所が適しています。種まき時期は9月下旬〜10月中旬ごろ。翌年の初夏には可愛らしい花が見られます。

花のおすすめ③シャクヤク

美しい女性のたとえにも使われるシャクヤクは、5月〜6月ごろに開花する優美な花です。儚げな印象とは裏腹に、わりと手間いらず。多年草(宿根草)なので、枯れても翌年にはまた葉をつけ、花を咲かせるのです。植え付け時期は9月〜10月ごろ。よく日があたり、水はけと風通しのよい場所に植えましょう。

野菜のおすすめ①ジャガイモ

常備したい野菜のひとつ、ジャガイモ。厳しい環境でも育つ、生命力の強い野菜です。植えつけさえすれば、あまり手がかかりません。秋植えなら、8月〜9月ごろに種イモを植えます。地植えでも鉢植えでも、水はけのよい土を用意しましょう。

野菜のおすすめ②水菜

サラダや鍋ものに重宝する、水菜。冷涼な気候を好むものの暑さにもわりと強く、真夏や真冬を除けば一年を通して栽培できます。秋まきの時期は9月〜10月ごろ。乾燥が苦手なので、たっぷりと水を与えてください。水菜はアブラナ科なので、1〜2年で植える場所を替え、連作障害を防ぎましょう。

野菜のおすすめ③イチゴ

果物のなかでも大人気のイチゴ。蝶よ花よと育てられるイメージですが、思いのほか、お世話は簡単です。日があたり風の通る場所に、水はけのよい土を用意して、9月〜10月ごろ、苗を植えてください。休眠期の冬は水やりを控え、温かくして越冬させると、翌年5月〜6月、実をつけます。

いきいきとした植物に囲まれ、和やかな暮らしを

じめじめとした梅雨どきは気分も滅入ってしまいます。そんなとき、自宅に迎え入れたいのが観葉植物。観賞するための美しい植物は、見るだけで心が落ち着きます。また、梅雨の晴れ間に挑戦したいのが、ガーデンづくりと家庭菜園づくり。色とりどりの花の咲く庭、豊かに実る菜園を想像しながらの土いじりも楽しいものです。いきいきとした植物のそばで、きっと心も晴れあがることでしょう。

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ウッディラボのルーツは、1947年創業の家具屋。木に携わり、木のおかげでこれまで事業を続けてきました。もっと木の良さを活かし、お客様の役に立ちたい。そんな思...

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