ダニは掃除機で吸えるの?効果的な掃除機のかけ方やダニ退治の方法をご紹介
ダニ対策として、床やカーペット、ソファだけでなく、布団もこまめに掃除機をかけているという方もいらっしゃると思います。しかし、ダニは掃除機をかけるだけで駆除できるものなのでしょうか。今回は、効果的な掃除機のかけ方や、ダニ退治の方法、掃除機選びのポイント、おすすめのダニよけアイテムなど、ダニ対策に役立つ情報をお伝えいたします。
掃除機でダニは駆除できる?
残念ながら、掃除機ではダニを完全に駆除することはできません。掃除機で吸い取ることができるのは、布団やカーペットに落ちているダニの死がいやフン、それから、表面についているダニだけ。掃除機の吸引力により多少の差はありますが、繊維の奥に入り込んだダニは、掃除機ではなかなか吸い取ることができないのです。その理由は、ダニの脚先の形状にあります。ダニの脚先は吸盤のような形になっており、布の繊維にしっかりとしがみつくことができるため、掃除機では吸い取るのが難しいのです。
ダニ対策としての効果
お伝えしたように、掃除機では生きているダニまで完全に駆除することはできません。しかし、掃除機はダニ対策に欠かせないアイテムです。なぜなら、ダニの死がいやフンも、ダニアレルギーのアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)になるから。むしろ、生きているダニよりも、ダニの死がいやフンのほうが、アレルゲンとしては刺激が強いと言われています。
ダニアレルギーの症状は人によってさまざまですが、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎だけでなく、アトピー性皮膚炎や気管支喘息を発症することもあります。家族の健康を守るためには、こまめに掃除機をかけて、家の中からアレルゲンとなるダニの死がいなどを取り除くことが大切です。
ダニ対策に効果的な掃除機のかけ方
ここからは、ダニ対策に効果的な掃除機のかけ方を紹介しましょう。
掃除機をゆっくり動かす
掃除機は、できるだけゆっくり動かしましょう。特に布団やカーペット、畳などは、掃除機を素早く動かすと、繊維にしがみついているダニを吸い取ることができません。掃除機のヘッドをしっかりとあてて、じっくり時間をかけて吸引しましょう。1㎥あたり20秒以上の時間をかけるのが目安です。
また、このとき掃除機の吸引力は最大まで上げること、一方向ではなくさまざまな方向にかけることもポイント。人のフケや垢、食べかすなどの汚れもダニのエサとなりますので、吸い残しがないように、全体的にかけることを意識してください。
布団やカーペットは表と裏の両面かける
布団やカーペットなどは、表だけでなく裏もしっかり掃除機をかけましょう。ダニは、布団やカーペットの中を自由に移動することができるため、表だけ掃除機をかけても、中を通って裏側に逃げてしまいます。また、ダニは夜行性であるため、昼間は裏に潜んでいる可能性が高いです。表・裏の両面に掃除機をかけることで、より多くのダニを吸い取ることができるでしょう。
布団やカーペットなどの布製品は、家の中でも特にダニの多い場所ですので、特に入念に掃除機がけを行いましょう。
床は掃除機をかける前に拭き掃除をする
いきなり掃除機をかけると、掃除機の排気で、ほこりと一緒にダニが舞い上がってしまいます。床を掃除するときは、フローリングワイパーや雑巾などでほこりを拭き取ってから、掃除機をかけるようにしましょう。
また、掃除機をかけるときも、部屋の隅や本棚など、ほこりが多くたまっていそうなところに排気口を向けないように意識することで、ほこりが舞い上がるのを抑えられます。
掃除機をかける前に一度部屋を暗くする
ダニは夜行性で暗い場所を好むため、掃除機をかける前に一度部屋を暗くすることで、布団やカーペットの表面におびき出すことができるといわれています。部屋のカーテンを閉め切って、1時間ほど経ってから掃除機をかけると、より多くのダニを吸い取ることができるでしょう。
このほかにも、布団の表面を軽くたたいて、中に潜んでいるダニを表面に移動させるという方法もありますが、このときにダニの死がいやフンを吸い込んでしまう恐れがありますので、必ずマスクをして行うようにしてください。また、毛足の長いカーペットは、掃除機をかける前に、専用のブラシでダニをかき出しておくと、奥に潜んだダニまで吸い取りやすくなります。
ダニ対策として、どれくらいの頻度で掃除機をかけるべき?
毎日は難しいかもしれませんが、床は少なくとも3日に1回、布団は1週間に1回は掃除機をかける習慣をつけましょう。
ダニの繁殖力は非常に強く、2~3か月で200~400個の卵を産み、1シーズンでその数は30万匹にもなるといわれています。特に高温多湿な夏は、家の中にダニが好む環境ができやすくなりますので、放っておくとダニはどんどん増えてしまします。ダニを増殖させないためには、できるだけこまめに掃除をして、ダニのエサとなるものを取り除くことが大切です。
掃除機をかける前に!繊維の奥に潜むダニを退治する方法
生きているダニを掃除機で完全に駆除するのは難しいですが、ダニの死がいやフンなら、掃除機で吸い取ることができます。つまり、ダニを退治してから掃除機をかければ、より多くのダニを取り除くことができるというわけです。ここからは、効果的なダニ退治の方法を紹介していきます。
熱で死滅させる
ダニは、温度が50℃以上なら数時間で、60℃以上なら数分で死滅します。布団であれば、掃除機をかける前に布団乾燥機を使うことで、ダニを死滅させることができます。ただ、一口に布団乾燥機といっても、性能はさまざまです。布団乾燥機を選ぶときは、50℃以上の高温を全体に行き渡らせることができるものを選ぶとよいでしょう。
カーペットのダニは、スチームアイロンやスチームクリーナーを使って高温にするのも良いでしょう。ただし、カーペットの素材によっては、スチームアイロンやスチームクリーナーで、生地が劣化してしまったり、傷んでしまったりする恐れがあります。使用前に50℃以上の高温に対応できる素材かどうか、必ず確認してください。
また、熱でダニを死滅させるために、布団やカーペットを「天日干し」している方もいらっしゃるかもしれませんが、天日干しで50℃以上の環境を作るのは、なかなか難しいといえます。しかし、天日干しをすることで、布団やカーペットにたまった湿気を飛ばすことはできます。ダニを死滅させるという効果は期待できませんが、ダニにとって快適な環境を作らないために、定期的に天日干しをすることも重要です。
市販のダニ駆除アイテムを活用する
市販のダニ駆除アイテムを使ってダニ退治をするというのも一つの方法です。市販のダニ駆除アイテムには、たとえば以下のようなものがあります。
- ダニ取りシート
ダニが好む香りをシートに含ませ、ダニをおびき寄せて捕獲します。 - 燻煙剤
殺虫成分を含んだ煙や霧を部屋全体に行き渡らせて、室内のダニをまとめて退治します。 - ダニ駆除スプレー
スプレータイプのダニ用殺虫剤です。ソファや枕など、ダニが気になるところにすぐ使えます。
ダニ取りシートは、集めたダニもシートと一緒にゴミとして捨てることができますが、燻煙剤やダニ駆除スプレーはダニを死滅させるだけです。使用後は、入念に掃除機をかけて、ダニの死がいを取り除きましょう。
丸洗いする
カバー類や枕、クッション、カーテン、ぬいぐるみなど、丸洗いできるものはこまめに洗濯をしましょう。しかし、生きているダニは繊維にしっかりとしがみついているため、洗濯でも完全に駆除することはできません。そのため、洗ったあとは、小さなものなら高温で乾燥させられる洗濯乾燥機を使うのがおすすめ。また、最近では、温風でダニを死滅させてから洗い流す「ダニ対策コース」が搭載されている洗濯機も増えています。ご自宅の洗濯機にこのような機能が備わっていれば、ぜひ活用してみてください。
ただ、洗濯乾燥機や「ダニ対策コース」は、熱に弱い素材には使えません。あらかじめ、洗濯表示は必ず確認してください。また、ドラム式洗濯乾燥機の糸くずフィルターとダクト部分は、ほこりやゴミがたまりやすいため、ダニの温床にならないよう、こまめにメンテナンスをすることも大切です。
布団やカーペットも、自宅で丸洗いできるものであれば、定期的に洗濯をしましょう。布団やカーペットは、家庭用の洗濯機乾燥機では乾かせませんので、コインランドリーの乾燥機を使うか、しっかり自然乾燥をさせたあと布団乾燥機を使い、ダニを死滅させてから掃除機がけを行うと良いでしょう。
クリーニングに出す
布団やカーペットなどが自宅で洗えない素材の場合、または自宅で洗うのが大変な場合には、クリーニングを活用しましょう。大まかな目安は1年に2回くらい。クリーニング店によっては、オプションで防ダニ加工もお願いできます。クリーニングの料金は、店舗によって異なります。持ち込みの手間がかかるころが気になる場合には、回収からクリーニング後の配達まで対応してくれるクリーニングを利用してみてはいかがでしょうか。
ダニ対策は掃除機選びも大切!
ダニ対策には、どのような掃除機が適しているのでしょうか。ここからは、掃除機選びのポイントをご紹介いたします。
布団には布団クリーナーがおすすめ
自宅で使っている掃除機に取り付けることができる「布団用ノズル」も多数販売されていますが、布団に掃除機をかけるなら、布団専用の「布団クリーナー」がおすすめ。
布団クリーナーをおすすめする理由は、大きく3つあります。1つめは、布団クリーナーは、一般的な掃除機に比べてコンパクトで、軽いため、使い勝手が良いということ。より使いやすさを求めるなら、コードレスタイプがおすすめですよ。2つめは、温風機能やUV機能などにより、ダニ対策に効果的であること。そして3つめは、普段使っている掃除機と兼用するよりも、衛生的に使用できるという点です。
布団クリーナーの中には、ヘッドを付け替えればカーペットやソファなどにも使えるものもありますが、小さなお子さまのいるご家庭や、衛生面を重視するという方は、布団専用として使用するのがおすすめです。
集じん方式もチェックしよう
集じん方式とは、「掃除機のゴミの集め方」のこと。大きく分けて、次の3つのタイプがあります。
- 紙パック式
専用の紙パックを設置し、その中に吸い込んだゴミを集めるタイプです。ゴミがいっぱいになったら紙パックを交換するだけなので、「ゴミ捨てが楽」「ゴミを見なくていい」というメリットがあります。ただ、専用の紙パックは購入しなければならないため、追加コストがかかります。 - サイクロン式
遠心力でゴミと空気を分離し、ゴミだけをダストボックスに集めるタイプです。吸引力が持続しやすく、紙パックを使わないため追加コストがかからないというメリットがあります。ただ、紙パック式に比べるとゴミを捨てる頻度は多くなりがち。ゴミを捨てるときには、ほこりが舞い上がらないよう注意が必要です。 - カプセル式
フィルターでゴミと空気を分離して、ゴミだけをダストボックスに集めるタイプです。カプセル式もサイクロン式同様、紙パックを使わないので追加コストがかからないというメリットがあります。ただ、フィルターが目詰まりすると吸引力が低下しやすくなるので、フィルターをこまめに水洗いしなければならず、ほかの方式に比べるとお手入れの頻度は高くなります。
ダニ対策という視点で考えると、ゴミ捨ての際にほこりが舞いにくい紙パック式か、吸引力が持続しやすいサイクロン式がおすすめ。ご紹介したようにそれぞれ特徴がありますので、十分比較して、ご家庭にあったものを選んでください。
ゴミセンサーがあると便利
最近は、ゴミが多いところをランプで知らせてくれるセンサーがついた掃除機も販売されています。肉眼では見えない小さなほこりや花粉、ダニなどの存在を知らせてくれる、便利な機能です。この機能が付いた掃除機を使えば、より多くのダニを取り除くことができるでしょう。
ダニが掃除機の中で増えるって本当?
掃除機で吸い取ったダニは、ほとんどがホースやパイプに衝突して死滅します。しかし、ほこりや小さなゴミがクッションになって、生き延びたダニがいる可能性もゼロではありません。
特に、掃除機の中にゴミをため込みがちな人はご注意を。生き残ったダニがその中で繁殖してしまう可能性があり、さらに、細かいダニのフンなどが排気から出てしまうことも考えられます。加えて、廃棄の臭いも強くなるでしょう。そのほか、紙パック式やカプセル式の場合は、紙パックやフィルターが目詰まりして、吸引力が落ちたりすることもあります。
ダニ対策を考えるうえでも、ゴミは、こまめに捨てるようにしましょう。普段から紙パックの交換頻度が少ない場合には、のちほど紹介するウッディラボの「ダニよけシリカ」を紙パック内に入れておくのもおすすめです。
また、紙パックの性能によっては、吸い込んだダニの死がいやフンが排気とともに出てきてしまう可能性も考えられますので、紙パックは純正のものを使うようにしましょう。
ダニを駆除した後は「よせつけない」対策を
せっかくダニを退治して掃除機で取り除いても、何も対策をしなければ、またすぐにダニは増えてしまいます。大切なのは、部屋の湿度を下げてダニが嫌いな環境を作ること。できれば、湿度は50%以下をキープしましょう。
そのために大切なのが、「換気」です。冷暖房時も、1時間に2~3分程度は窓を開けて換気をするよう心がけてみてください。この際、異なる方向の窓を2か所以上開けるのがポイント。できるだけ対角線上に空気の出入り口を作ることで、室内の空気の流れがスムーズになります。
また、除湿器や、便利な防ダニアイテムもたくさん販売されていますので、これらを活用するのも良いでしょう。
小さくても優秀!ウッディラボの「ダニよけシリカ」
「ダニよけシリカ」は、天然由来の香りを主成分としたダニよけアイテムです。ダニが気になるところに置くだけで、ダニよけと、ダニの増殖を抑える効果が期待できます。さらに、消臭と防臭、防カビもプラスされている優れもの。殺虫剤・忌避剤等は使用しておりませんので、小さなお子さまがいるご家庭にもおすすめですよ。カーペットの下や、ソファ、クッション、押し入れ、寝具回り、さらに掃除機の紙パックの中など、さまざまな場所にお使いいただけます。
掃除機はダニ対策に欠かせない!上手に活用してダニの少ない住まいに
掃除機は、ダニの死がいやフンは吸い取ることができますが、生きているダニはほとんど駆除することができません。しかし、ダニの死がいやフンを吸い込むことでアレルギーを発症することもありますので、こまめに掃除機をかけて、これらをしっかり取り除くことが大切です。とはいえ、ダニは自然界の一部として人と共存する一面もあり、暮らしから完全に取り除くのは難しいものです。できるだけダニを寄せ付けない工夫を取り入れながら、ダニの少ない住まいをキープしたいですね。
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