カカオの力で寒い冬を乗り切ろう!〜カカオのうれしい健康効果〜
チョコレートやココアの主原料である「カカオ」には、健康にうれしい成分が多く含まれています。中でも「カカオポリフェノール」は広く知られるところですが、体に良いものという認識はあっても、具体的な効果まではよくわからないという人もいらっしゃるかもしれません。今回は、健康という観点からカカオについてお話しします。美味しいだけではないカカオの魅力を、見つけてみませんか?
カカオのうれしい栄養素「カカオポリフェノール」の健康効果とは?
お伝えしたように、カカオの成分としてよく知られてるのが「カカオポリフェノール」です。その健康効果について見ていきましょう!
カカオポリフェノールの優れた「抗酸化作用」
カカオポリフェノールには、活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用があります。「活性酸素」とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になったもので、細胞を傷つけてしまうことがあります。そうした活性酸素の働きを抑制する「抗酸化作用」によって、以下のような健康効果があるとされています。
動脈硬化の予防
動脈硬化を引き起こす原因の一つが、活性酸素によるコレステロールの酸化です。カカオポリフェノールの持つ優れた抗酸化力は、コレステロールの酸化を抑える効果があるといわれています。
血圧の安定
一般的に血圧の上昇は、血管壁に炎症などが起こり、血管が硬く細くなる動脈硬化などの影響で生じます。カカオポリフェノールには「血管拡張作用」や「抗炎症作用」があるとされ、摂取することで炎症が軽減し、血流もスムーズになることが認められているのだそう。その結果、血圧が安定すると考えられています。
肌トラブルの緩和
活性酸素は、シミ、シワ、たるみといったお肌の悩みの主たる原因でもあります。皮膚の機能を保つうえで重要な「線維芽細胞」が活性酸素に攻撃されると、コラーゲンやエラスチンなどの生成が阻害されてしまうからです。カカオポリフェノールは、その優れた抗酸化力で活性酸素を除去し、肌をダメージから保護するとされています。
認知症予防
カカオポリフェノールは、脳の栄養といわれるBDNF(※1)に働きかけて、認知機能を高める可能性が示唆されています。
※1 BDNF:脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質の一種。神経細胞の発生や成長、維持、再生を促します。
免疫力の向上
カカオポリフェノールがNK細胞(※1)を活性化させ、免疫力を高めるといわれています。
- NK細胞(ナチュラルキラー細胞):生まれつき体に備わっている自然免疫のひとつで、
白血球内のリンパ球にあります。血液やリンパ液にのっていつも体内をパトロール。ウイルスや病原菌、ガン化した細胞など異物を発見すると即座に攻撃し、排除します。
<知ってる?>活性酸素対策は、「酸化ストレス対策」
活性酸素は、まるで悪者のようなイメージを持たれやすいもの。そのイメージはおおむね妥当なところではあるのですが、それだけに捉われていては活性酸素がちょっと気の毒。というのも、活性酸素は体にとって重要な役割も担っているからです。ここでは、諸刃の剣ともいえる活性酸素について、もう少し知っておきませんか?
活性酸素の役割と問題点
活性酸素には、体の中に侵入した細菌やウイルスを撃退する(免疫機能に関与)働きや、細胞内での情報伝達を行うといった役割を持っています。
そうした重要な働きがある一方で、過剰に増えると悪影響を及ぼします。この「過剰に増える」というのが問題なのです。活性酸素の「強い酸化力」は、適量であれば細菌やウイルスなどと戦う際の頼もしい武器となりますが、過剰になると正常な細胞までをも攻撃し、傷つけてしまうからです。
体には、活性酸素の攻撃から身を守るシステムが備わっているのですが、そのシステムの働き以上に活性酸素が産生すると処理が追いつかなくなり、攻守のバランスが崩れ、体の状態は酸化に傾きます。これが、いわゆる「酸化ストレス」といわれる状態です。酸化ストレスは、糖尿病をはじめとする生活習慣病、ガン、認知症といった深刻な病を引き起こす原因のひとつとされています。そのため、活性酸素=悪者というイメージが先行してしまうのは無理もないことかもしれません。
酸化ストレスを減らすには
では、酸化ストレスを減らすには、どうしたらいいのでしょうか?
基本となるのは、「バランスの良い食事・適度な運動・質の良い睡眠」を心がけた生活習慣を続けること。また、抗酸化作用のある食品を積極的に摂ることも重要なポイント。「抗酸化作用」とは、活性酸素による行きすぎた酸化反応を抑える作用のことで、その優れた作用を持つ代表的な食品のひとつが「カカオ」です。
カラダを温める効果がある「テオブロミン」
カカオの成分の中で、もうひとつ注目したいのが「テオブロミン」です。まだ認知度が高いとはいえないため、ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。まずは、テオブロミンの概要から見ていきましょう。
「テオブロミン」はカカオの学名に由来
カカオの学名は、「Theobroma(テオブロマ)」といいます。ギリシャ語で「神様の食べ物」という意味。これが、成分の1つである「テオブロミン」の名前の由来です。テオブロミンはココアやチョコレートの苦味成分で、自然界ではほぼカカオにのみ含まれる貴重な物質。ただし、人の体では有益に働くものの、犬にとっては害でしかありません。犬はテオブロミンを分解する力が弱いため、中毒症状を引き起こしてしまうのです。犬にチョコレートは絶対にダメ! お家にワンちゃんがいる人は、ちょっと目を離した隙に舐めてしまったなんてことがないように、チョコレートやココアなどテオブロミンを含む食品の取り扱いには厳重な注意が必要です。
テオブロミンの健康効果
テオブロミンに期待できる健康効果としてあげられるのが、次の2点です。
- 血流の促進
テオブロミンには「血管拡張作用」があります。血管を広げて全身の血流を促すことで、冷え性の改善が期待できるとされています。
- リラックス効果
テオブロミンは、癒しに関係する脳内物質「セロトニン」の働きを助ける作用があるのだそう。セロトニンが増えることでストレスが軽減され、リラックス効果が得られると考えられています。
「ホットココア」は寒い季節にぴったりの飲み物
カカオの力を取り入れるには、チョコレートを食べるのがいちばんお手軽な方法ですが、寒い季節におすすめなのが「ホットココア」です。美味しくて体が温まるうえに、カカオポリフェノールやテオブロミンの働きが期待できますよ。ちょっと一息つきたいときのお供にいかがでしょうか。
〜ワンポイントアドバイス〜
ココアは、砂糖や乳製品を加えてある「調整ココア」よりも「純ココア」や「ピュアココア」がおすすめです。
カカオを積極的に取り入れて冬も元気に過ごしましょう!
カカオには、カカオポリフェノールやテオブロミンなどの成分が含まれており、さまざまな良い影響があるとされています。特に、寒い時期には、温かいココアにして飲むと、ホッと一息つけるはず。ただし、チョコレートやココアなどには、少量のカフェインや砂糖が含まれるため、摂り過ぎには注意が必要です。美味しさも楽しみつつ、この冬の食習慣にカカオを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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