【カメムシ大量発生】2025年は?今シーズンのカメムシ発生を予想してみました

昨年(2024年)はカメムシの数が全国的に多く、「カメムシ大量発生!」と大きな話題になりました。2025年は、どうなるのでしょうか。今回は、カメムシが大量発生する原因や、2025年のカメムシ発生予想、今からできる家庭でのカメムシ対策をご紹介いたします。
大量発生することがあるカメムシの種類

カメムシには多くの種類がありますが、その中でも大量発生してニュースになることがあるのは、果樹カメムシ類。カンキツやカキ、モモ、リンゴなどの果樹に被害を与えるカメムシです。
果樹カメムシ類だけでも全国に30数種ありますが、特に発生が多いのが以下の3種類です。
- チャバネアオカメムシ……茶色の羽を持つ緑色のカメムシ。日本全国でみられるが、特に関東以南に多い。
- クサギカメムシ……全身が暗褐色のカメムシ。日本全国でみられるが、特に関東以北に多い。
- ツヤアオカメムシ……全身が緑色でツヤのあるカメムシ。西日本で多くみられる。
カメムシが大量発生する原因
カメムシが大量発生するのは、「スギ・ヒノキの実が豊作」であることと、「冬の気温が高い」ことが原因だといわれています。それぞれの影響について、詳しく解説します。

スギ・ヒノキの実が豊作
果樹カメムシ類は、スギ・ヒノキなどの針葉樹林で繁殖します。カメムシの幼虫は、針葉樹の球果(実)の中にある種子をエサとするためです。そのため、スギ・ヒノキの実が豊作の年、つまりスギ・ヒノキの花粉の飛散量が多い年は、カメムシの数も多くなるといわれています。
しかし、その年は花粉が多くても、もともとのカメムシの数が多くなければ、卵の数もそこまで多くならない可能性もあります。数年続けて花粉が多い場合にカメムシが大量発生するという意見も見られました。
冬の気温が高い
地球温暖化の影響で暖冬が多くなっていることも、カメムシ大量発生の原因の一つではないかといわれています。
ここで、カメムシがどんな一生を送るのかを簡単にご紹介しましょう。カメムシは、まず春~夏にかけて山で孵化し、スギ・ヒノキの実をエサにして成長します。そして成虫になった秋には、冬を越す場所を探して人里へやって来るようになります。秋にカメムシを見かけることが多いのは、そのためです。そして冬が終わり春になると、山に戻り繁殖し、その後秋が来る前に生涯を終えます。寿命としては、1年半ほどになります。
寒い冬を越せずに死んでしまう個体もいますが、最近は昔に比べて冬の気温が高くなっており、越冬できる個体が多くなっていることが、カメムシの大量発生につながっていると考えられています。
カメムシが大量発生すると、どのような被害がある?
カメムシが大量発生することでまず大きな被害を受けるのは、農家の方々です。カメムシの吸汁加害を受けた果実は、落下したり、形が変わってしまったりするため、商品として販売できなくなります。
また、カメムシが大量発生すると、家庭の周りでもカメムシを見かけることが多くなります。「カメムシは不快・臭いだけで害はない」というイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、カメムシの分泌液に触れると、皮膚炎が起こることもあります。健康被害をもたらす可能性がある虫として、家庭でもしっかり対策をしておきましょう。
2025年もカメムシは大量発生するのか

では、今年(2025年)は、カメムシはどのくらい発生するのでしょうか。結論から言うと、現時点(2025年2月末時点)では、「非常に予想が難しい状況」です。2025年はスギ・ヒノキの実の量が多いと予想されており、大量発生する可能性も考えられます。とはいえ、あくまで予想であり、昨年よりも少ないかもしれません。それぞれの理由と影響について解説します。
2025年もカメムシが多くなると考えられる理由
今シーズンの冬(2024年~2025年)は、昨シーズンの冬(2023年~2024年)のような暖冬ではありませんでした。特に2月は非常に強い寒気の影響で、普段雪の少ない地域でも雪が積もったところがありました。ただ、日本気象協会は春の到来は早いという予想も発表しています。例年に比べて寒い時期が短くなるのであれば、「越冬できるカメムシが多くなるのでは?」とも考えられます。
また、花粉の飛散量も、今シーズンは昨シーズンを上回ると予想されています。エサが豊富なために、カメムシが大量に繁殖する可能性も考えられるのではないでしょうか。
参考:2025年の天気傾向 冬は寒冬で春の訪れが早く、夏は猛暑のメリハリ型か【ウェザーマーケティングレポート】 | Weather X | 日本気象協会
2025年はカメムシが少なくなると考えられる理由
先ほどカメムシ大量発生の原因の一つとして、「スギ・ヒノキの実が豊作」であることを挙げました。しかし、スギ・ヒノキの実が豊作である場合、カメムシはエサを求めてわざわざ山から出なくてもよくなります。そのため、スギ・ヒノキが豊作の年は、人里にやって来るカメムシが少なくなるともいわれているのです。
スギ・ヒノキの豊作・不作の周期は1年おきといわれています。そして、スギ・ヒノキが豊作でカメムシが少なくなるのは「裏年」、スギ・ヒノキが不作でカメムシが多くなるのは「表年」と呼ばれてきました。2025年は「裏年」にあたりますので、この考え方でいくと2025年はカメムシが少なくなるということになります。
結論:「カメムシの数を予想するのは難しい」

カメムシがどのくらい発生するのかを予想するのは、なかなか難しいでしょう。なぜなら、スギやヒノキの実の量と、冬の気温以外にも、カメムシの数を左右する要因は多数あるからです。
たとえば、台風やゲリラ豪雨が多いと、カメムシの個体数は減るといわれています。また、一度カメムシが大量発生すると天敵の昆虫が増えるため、しばらくは大量発生しないという意見もあります。
農林水産省のホームページでは、病害虫発生予察情報が公開されています。全国の果樹カメムシ類の警報・注意報の発表件数も確認することができますので、カメムシが大量発生するのかどうかをいち早く知りたい方は、こちらをこまめにチェックしてみてはいかがでしょうか。
今からやっておきたい家庭のカメムシ対策

最後に、家庭でのカメムシ対策をご紹介します。カメムシの大量発生に備えて、今から対策をしておきましょう。
雑草や落ち葉を取り除く
カメムシは山で繁殖するとお伝えしましたが、カメムシが卵を産みつけられるような植物があると、家の周りでもカメムシが繁殖することがあります。家の周りに生えている雑草は、こまめに抜くようにしましょう。また、玄関回りやベランダにたまってしまう落ち葉にも要注意。定期的に掃除をして、カメムシが繁殖できるような場所をつくらないことが大切です。
侵入経路を塞ぐ
カメムシは、2mm程度の隙間があれば侵入できるといわれています。カメムシの侵入を防ぐために、できるだけ隙間を埋めておきましょう。具体的には、網戸や窓サッシの隙間を隙間テープで埋める、エアコンのドレンホースに防虫キャップをつけるなどの対策が考えられます。いずれもホームセンターや100円均一ショップ購入できるものなので、探してみてください。
忌避剤や殺虫剤を用意しておく
人の生活エリアでカメムシを見ることが多くなるのは秋ですが、2024年は春からカメムシが例年より多く発生しました。4月には、カメムシ用の殺虫剤がすでに売り切れてしまった地域もあったようです。忌避剤や殺虫剤は、早めに用意しておくことをおすすめします。

しかし、「忌避剤や殺虫剤の薬剤の臭いが苦手」という方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが、ウッディラボの「家中どこでも虫キライスプレー」。天然精油のレモンユーカリを主成分とした虫よけスプレーです。カメムシが寄り付きそうな窓周りやベランダ、玄関はもちろん、キッチンの三角コーナーやゴミ箱周辺など、商品名のとおり家中どこでもお使いいただけます。シュッとスプレーすると、優しい香りがフワッと広がり、さわやかな気持ちになれますよ。
カメムシの大量発生に備えよう
カメムシの数は複数の要因に左右されるため、大量発生するかどうかを事前に予想するのは困難です。ただ、カメムシの数が少なかったとしても、何も対策をしていなければ、洗濯物が臭くなる、皮膚炎になるなどの被害を受けてしまう恐れがあります。大量発生も見越して、今からカメムシ対策をしておきましょう。




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