すっきり収納が気持ちいい。大掃除が楽になる収納ルールのすすめ

コラム:暮らしを楽しむ

師走を迎え、気忙しい日々が続くなか、そろそろ大掃除が頭をよぎる季節です。お正月を迎えるための年中行事とはいえ、負担は少ないほうがいいはず。それならば、収納ルールを見直してみませんか? 今回は、すっきりきれいな状態をずっと保てるサスティナブルな収納術を探ります。

収納の役割を知る

そもそも「収納」とは何でしょうか。もし、家の中がなかなか片付かない、収納スペースがすぐにいっぱいになってしまう……といった悩みが尽きないとしたら、収納の考え方に誤解があるかもしれません。

収納とは何か

収納とは、簡単に言うと「モノをしまうこと」です。ただし、クローゼットや屋根裏などの収納スペースに、ただ押し込んでおけばよいというわけではありません。コツは、使いやすいようにしまうこと。つまり、収納のカギは、「モノの定位置を決めて、出し入れしやすく配置すること」にあるのです。

収納の役割をより明確に知るために、整理・整頓・片付け・掃除と見比べてみましょう。

  1. 整理:使うモノと使わないモノを区別すること
  2. 整頓:見た目にきちんと整えること
  3. 収納:モノの定位置を決めて、使いやすくしまうこと
  4. 片付け:使ったモノを定位置に戻すこと
  5. 掃除:ゴミやホコリを取り除き、清潔にすること

これらの作業はあまり切り分けられず、ひっくるめて「整理整頓」と言ったり、「片付け」や「掃除」と言ったりしているかもしれません。ところが、実際にはそれぞれ異なる作業です。とはいえ、バラバラに実行しても、あまり効果はないでしょう。ポイントは、5つの作業を1から5の順番に循環させること。そうすれば、家の中を常にすっきりきれいに保てるはずです。

あなたの家の収納ルールは?

収納の基本は、「モノの定位置を決める」ことにあります。しかし、家族構成や生活スタイルが違えば、出し入れしやすい場所や方法が異なります。そこで、自分と家族の暮らしに合った「わが家の収納ルール」を考えてみましょう。

「収納ルール」に正解はありません。ただ、複雑なルールよりはワンアクションでできるシンプルなルールのほうが長続きするはずです。例えば、子どもが自室よりもリビングで遊ぶ、あるいはリビング学習をすることが多いのなら、〈子どものおもちゃや教科書は、リビングのキャビネットにしまう〉というルールにするのはどうでしょうか。子どものモノは子ども部屋へという“常識”にとらわれず、モノを使う場所と、しまう場所を同じにすることで負担が軽減します。もし、洗面所に広めの収納スペースがあるのなら、家族一人ひとりの収納ボックスを用意して、〈タオル類・下着類・パジャマをまとめてしまう〉というルールも良いでしょう。洗面所をファミリークローゼット化すると、家事動線がスムーズになり、家事ラクまで実現できそうです。

家庭内「5S活動」のススメ

製造業の工場などでは、環境改善を図るために古くから「5S活動」が導入されています。5Sとは、整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・躾(Shitsuke)の頭文字をとったもの。それぞれの内容はというと——

  • 整理:必要なモノだけを残す
  • 整頓:必要なモノを定位置に、使いやすく配置する
  • 清掃:作業場や収納場所をきれいにする
  • 清潔:「整理」「整頓」「清掃」を行い、きれいな状態を保つ
  • :決められたルールを守ることを習慣化する

先述の「整理・整頓・収納・片付け・掃除」とよく似ています。「躾」は、「わが家の収納ルール」を習慣化することと解釈して、家庭内にも5S活動を取り入れてみましょう。家族みんなでルールを守れば、整った状態が続き、心地よく暮らせるはずです。

収納術その1:「見せる収納」と「隠す収納」

ある建築家は、美術館の展示室とバックヤードを例に、住宅にも「表」と「裏」があると、自身の本に記しています。たとえば、アイランドキッチンは「表」であり、パントリーは「裏」になる。同じキッチンでも独立型なら、キッチンそのものが「裏」となる——など。

上記の考え方であれば、収納スペースは「裏」にあたる場所。そこにモノをしまうと「隠す収納」になります。一方、表と言えるスペースを活用し、その場の雰囲気を損ねずにディスプレイにすると「見せる収納」となります。では、それぞれの収納のポイントを見ていきましょう。

見せる収納と取り入れ方

見せる収納とは、飾り棚となるニッチやオープンシェルフなどを使って、見えるように収納する方法です。コツは「収納量」と「アイテムの統一感」。棚いっぱいにモノが詰め込まれていたり、色や形がバラバラのモノが並んでいたりすると、雑然とした印象になってしまいます。見せる収納は、美しく整えたいもの。できるだけ収納するモノの数を少なめにして、色や形が不揃いのモノはボックスやカゴにまとめるとよいでしょう。

見せる収納は、空間を彩るディスプレイとしても楽しめます。取り入れやすいのは、リビングです。本や雑誌のほか、近ごろ人気の高まっているレコードや趣味の道具などを部屋の飾りとして収納してみてはいかがでしょうか。また、見せる収納は、モノの状態を一目で把握できて、出し入れがしやすく、機能的でもあります。そのため、キッチンでは食器や調理器具、調味料など、洗面所ではシャンプーや洗剤などのストック品の収納に取り入れてみてもよさそうですね。

隠す収納と取り入れ方

隠す収納は、扉や引き出しの付いた家具、ボックスなどを使って、モノが見えないように収納する方法です。コツは「収納量のコントロール」と「配置」。見えないからといって、不要になったモノまで溜め込んだり、適当にモノの定位置を決めていたりすると、収納スペースはすぐにモノであふれてぐちゃぐちゃになってしまいます。隠す収納では、どれくらいのモノがどこにあるのかを把握しておくことが大切。こまめに整理して収納量を調整しながら、使用頻度に合わせてモノを配置するとよいでしょう。

隠す収納のよさは、なんといっても空間をすっきりとさせられること。さまざまな色や形の衣類が混在するクローゼットや、スキンケア用品や歯みがきグッズなどのこまごまとしたモノが集まる洗面所に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、隠す収納は、埃や直射日光を避けられるため、キッチンなど、衛生的にモノを収納したい場所にも向いているでしょう。

収納術②「きっちり収納」と「ざっくり収納」

収納には、〈見せる/隠す〉だけではなく〈きっちり/ざっくり〉という方法があります。モノや収納スペース、生活スタイルなどを考えて、きっちり収納とざっくり収納を使いわけたいところです。

きっちり収納とお助けアイテム

きっちり収納とは、モノを種類ごとに分類する方法です。最大のメリットは、モノを見つけやすいこと。なので、モノの種類が混在していると使い勝手の悪くなってしまう場合の収納に向いています。たとえば、お箸やスプーン、フォーク、ナイフがごちゃまぜになっていると、配膳がしづらいはずです。同様に、調味料が適当に置かれていたら、味付けを間違えるかもしれません。文房具やアクセサリーをごちゃごちゃにしまいこんでいたら、使うときにケースをひっくりかえすはめになりかねません。そんな状況を生み出さないための方策が、きっちり収納なのです。

ポイントは、分類したモノ同士が混ざらないようにすること。仕切りトレーやボックスをつかうと、わかりやすく並べられますね。仕切られたエリア、ひとつの箱に入れるモノを決めさえすれば、モノは混ざり合うことも迷子になることもありません。

ざっくり収納とお助けアイテム

ざっくり収納とは、モノをこまかに分類せず、定位置をざっくりと決めておく方法です。最大のメリットは、気軽に取り組めること。収納量の増減が激しいモノの収納に向いています。例えば、使ったり買い足したりと増減が激しいのが、食品ストックや日用品など。町内会や子どもの学校から届く文書類なども、保管しておくべきものと、不要になって捨てるものがあるでしょう。増減するモノは、種類ごとに仕切ったり箱に入れたりするよりは、なんとなく定位置を決めておくほうが使い勝手がいいはずです。

定位置にできるアイテムとして使いやすいのが、引き出しやカゴ、ボックスです。缶詰のストックは食器棚の一番下の引き出しに、日用品はクローゼットのカゴに、文書類はキャビネットの上のボックスに、掃除道具は洗面台の下のボックスに、おもちゃはリビングのカゴに……というふうに、アイテムそのものを定位置にします。あとは、そこにざっくりとモノが収まっていればよしとしましょう。

収納とは、心地よい暮らしの土台

すっきりきれいに保たれた家は、住む人の心を明るく軽やかにします。しかも、「使いたいモノが見当たらない」「モノの出し入れがしづらい」といったストレスが少なく、生活動線・家事動線がスムーズになるでしょう。

そうした心地よい暮らしの土台ともいえるのが、収納です。整理をして正しく収納しなければ、片付けも掃除もうまくいきません。ということは、収納がきちんとできていれば、片付けも掃除も楽になるうえに、すっきりきれいな状態を持続させられるといえるでしょう。今年の大掃除は、収納から見直してみませんか。

タイトルとURLをコピーしました